マツダ技報 2017 No.34
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)ces( noseceDHmKill)2sm( noitare( deepSeoCoTemTcheV 2.5 システムの性能 アドバンストSCBSの性能と走る歓びの両立を目指し, FSC (Fig. 6) はフロントガラス中央上部の車室内側に搭載しており,先行車や横断歩行者を検知する。先 アドバンストSCBSを搭載したアクセラは,2016年度Japan New Car Assessment Program (JNCAP)予防安全性能評価において,最高ランク「ASV++」を獲得した。具体的には,被害軽減ブレーキ[対車両]において,自車が時速60kmまで衝突を回避できることが認められた。被害軽減ブレーキ[対歩行者]においては,自車が時速60km以下において衝突速度を時速40km以下に軽減(自車が時速50km以下においては衝突回避)できることが認 2.4 システムの構成 新開発したフォワード・センシング・カメラ (FSC)を中心に,ダイナミック・スタビリティー・コントロール(DSC)ユニット,パワートレイン・コントロール・モジュール(PCM),ボディー・コントロール・モジュール(BCM),コネクティビティー・マスター・ユニット(CMU),及びメーターで構成される。各ECU(Electronic Control Unit)はCAN(Controller Area Network)で接続され,双方向通信によって制御する(Fig. 5)。 I )// lli0076543210i i -159- egamNo.34(2017) マツダ技報 なお,アドバンストSCBS によるブレーキ制御中にドライバーが回避操作(操舵やアクセル操作)を行った場合は,ドライバー操作を優先させ,アドバンストSCBS による制御を速やかにキャンセルする。 行車や横断歩行者の検知には,画像の特徴点から,先行車や横断歩行者の形状を判定する技術を用いた。更に,先行車や横断歩行者の動きを時系列的に監視する技術により,検知性能を大幅に向上させた。 また,横断歩行者を検知するために,水平検知範囲を従来のSCBSで採用しているレーザーセンサーの2倍の約52°に拡大した。更に,作動速度域の拡大のため,先行車の検知距離をレーザーセンサーの10倍の約100mに性能向上させた。 「衝突被害軽減性能の実現」と「ドライバーの通常運転に干渉しない」という相反する要件の両立をねらった。 具体的には,自車及び先行車/横断歩行者の状態(相対速度や相対位置など)に応じて,最適な制動開始タイミングと制動力となるよう,状況ごとの最適化と,実車での造り込みを行った。例えば,停止している先行車に対して,自車が時速60kmで走行している場合,衝突の約2秒前にブレーキの遊びを詰め,衝突の約1.8秒前から緩やかな制動力を発生することで,ドライバーに危険が迫っていることを伝える。更に,ドライバーの回避操作がない場合は,衝突の約1.0秒前から強い制動力を発生させるなど,状況に応じて最適な制動開始タイミング及び制動力に設定した(Fig. 7)。 Fig. 5 System Structure 70605040302010Fig. 6 Sensor Appearance Fig. 7 Brake Timing and Deceleration 102030Mileage (m)Deceleration(m/s^2)Deceleration(m/s2)Vehicle Speed(km/h)Vehicle Speed(km/h)Time To Collision(sec)Time To Collision(sec)Light Braking405060Hard BrakingFSC Object Sensing Time To Collision Calculation Operation Judgment DSC Deceleration Control BCM Stop-lamp Control PCM Throttle Control Meter Indication/ Sound ControlCMU Customization

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