マツダ技報 2017 No.34
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3.4 システムの性能 道路上の速度標識は,標識位置から速度制限が切り替わるため,FSCが速度標識を認識し,自車両が標識を通過するタイミングでアクティブ・ドライビング・ディス 一時停止標識は,標識位置付近の停止線で停止しなけ -161- 0 6No.34(2017) マツダ技報 し,設定した速度超過警報値より高い車速で走行しているとメーターが検知すると,速度標識表示の背景を危険な状況を喚起する黄色で表示,もしくは表示と音で警告する(Fig. 10)。 プレイに表示を開始する。速度標識に補助情報を付加する”指示標識”がある場合は,速度標識の下に認識した補助標識を表示する。速度標識を表示してから一定距離を走行し,新たな速度標識が認識できない場合,ドライバーに誤った速度情報を表示している可能性が高いと判断し消灯する。また交差点では,右左折した先では道路種別が異なり速度制限も異なる場合が多いため,自車両のヨーレートが一定の閾値を超えた場合は,速度標識を消灯する(Fig. 11)。 ればならないことを警告する標識である。ドライバーに減速動作の開始を促すため,標識認識後一時停止標識まで一定距離に近づいたときに表示を開始する。自車両が十分に低速で停止し一定の距離走行後,一時停止表示を消灯する(Fig. 12)。 アクティブ・ドライビング・ディスプレイには『刻々と変化する,走行に必要な情報を厳選して表示する』ことを目的に機能配分を行ってきた。今回の新型アクティブ・ドライビング・ディスプレイの開発に際し,従来よりも瞬読性を高めるためにドライバーへの情報を”目の前の環境の情報”と” 自分の車の情報”の大きく2つに区分し表示の配置も情報種別に応じて最適な位置に表示することを徹底した。 交通標識は”目の前の環境の情報”であり,画面の上部に配置することで視線の移動を最小限に留められ,ドライバーへ常に安全に最新の交通標識情報を提供することができた。自車の車速情報も”自分の車の情報”として中央に表示されるため,道路の速度制限と自車の車速を常に視界に捉えることができ,安全な車速を維持して運転することができる。更にドライバーが正しく交通標識情報を認識できるように, 表示器を従来の蛍光管からフルカラーTFTの液晶に変更し,ピクセル数を約2.5倍に増加したことで高精細な表示を可能としている。また,さまざまな明るい環境光下でも交通標識の表示を認識できるように表示輝度を従来の2倍弱に向上させている。これらによって偏光サングラスを装着しているドライバーの視認性も十分に確保することができた(Fig. 13)。 3.5 アクティブ・ドライビング・ディスプレイの改善 アクティブ・ドライビング・ディスプレイは,1.5m先に虚像を表示することによって,焦点の移動を最小限かつ前方道路を見ながら走行情報も確認できる優れたHMI(Human Machine Interface)である。 Fig. 10 Speed Limit Warning Fig. 11 Turn at Intersection Fig. 12 Displaying of Stop Sign Driving environment Own vehicle information Fig. 13 Concept of Contents Layouts 50

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