マツダ技報 2017 No.34

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＊1，2 技術企画部 －163－ No.34（2017） マツダ技報 マツダの安全思想は，「MAZDA PROACTIVE SAFETY（マツダ・プロアクティブ・セーフティ）」である。これは，ドライバーだけでなく，同乗者や他の車両や歩行者などへも寄与する安全思想である。とりわけ，子どもについては，大人に比べれば体が小さく身体も弱い，大人には想像しがたい行動をとることがある，の特性がある。子ども視点での商品づくりも重要な要素であり，TECHNOLOGY FOR KIDS に基づいた商品が不可欠である。マツダは，子ども安全への取り組み活動のユーザーへの認知向上と第3者機関による客観的な評価を目的に，キッズデザイン協議会主催のKIDS DESIGN AWARDに2014年から継続して応募している。その結果，2014年に最優秀賞，2015年～2016年にキッズデザイン賞，2017年に奨励賞を受賞するという高い評価を得ている。本稿では，KIDS DESIGN AWARDを通して，MAZDA TECHNOLOGY FOR KIDSの進化を紹介する。 Summary Mazda’s safety strategy is represented by “MAZDA PROACTIVE SAFETY”. This strategy applies not only to drivers but contributes to all those involved, including passengers, of both the own car and others, and pedestrians. Children, in particular, whose bodies are relatively small and weak, sometimes behave in a way adults can hardly imagine. Recognizing that product development from a standpoint of children is essential in car manufacturing, Mazda develops vehicles based on the safety philosophy called “TECHNOLOGY FOR KIDS”. Aiming at raising awareness among users and for objective evaluations by a third party, Mazda has been taking part in KIDS DESIGN AWARD competition hosted by KIDS DESIGN ASSOCIATION since 2014, thereby receiving “Most Valuable Award” in 2014, “KIDS DESIGN AWARD” in 2015 to 2016 and 2017 in Incentive Award. This article introduces how Mazda’s TECHNOLOGY FOR KIDS has evolved through the participation in KIDS DESIGN AWARD. 子どもを巻き込んだ事故が後を絶たない。歩行者としての事故だけでなく，子どもの年齢層にもよるが，乗車中の事故も多い。チャイルドシートの適切な着用はもちろんのこと，交通事故のリスクを最小限に抑えることが子どもを守ることになる。車両停止状態での，ドアに手や足を挟んだなどの車室内事故も見逃すことはできない。更に，子どもが快適に車内で過ごせることも大切であり，クルマ酔いなどを助長することがあってはならない。子どもが陥りやすいリスクを想定しながらクルマづくりを行うことが重要である。 本稿では，キッズデザイン協議会主催のKIDS DESIGN AWARDを通して，MAZDA TECHNOLOGY FOR KIDSの進化を紹介する。 さまざまな運転環境で，ドライバーが状況を正しく認知・判断・操作できるようにサポートし，事故のリスクを最小限に抑えることが，安心で安全な運転，そして走る歓びにつながる。 それが，マツダの安全思想「MAZDA PROACTIVE SAFETY（マツダ・プロアクティブ・セーフティ）」である（Fig. 1）。 田坂 寿康＊1 Toshiyasu Tasaka 中野 隆裕＊2 Takahiro Nakano 論文・解説 29 要 約 子どもの安心のために，子ども視点のクルマづくり Technology Planning Dept. 1. はじめに 2. マツダの安全技術への取り組み Mazda Technology for Kids