マツダ技報 2017 No.34
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-170- Fig. 1 Comparison of TBA between マツダ技報 3.1 プレス加工による鋼板からの冷間鍛造パイプ成形 パイプ成形方法は大別すると,穿孔法に代表される鍛Fig. 4にこれら二つのセンタービームの各部位のZ軸まわりの断面二次モーメントの比較を示す。両者はねじり剛性と,質量を同等としたものである。SEBではStraight Pipeに比して,トレーリングアームとの結合部分に向けて増加させることができており,結合部近傍ではおよそ150%増加できている。 このとおりセンタービームへ周長可変とした素管を用いることは性能及び軽量化への効果が大きく,このSEBの実現のために必要な造管技術を開発した。 造による丸棒からの成形と,電縫鋼管のような鋼板から板を筒状に曲げ,溶接及び熱変形の矯正などの工程を経て製造される板曲げ溶接成形に分類される。それぞれ長所短所を持ち,用途に応じて選択使用されている。しかし二つの工法とも,同一パイプ内で径の変化を求めることはできない。 目指すべきは,板曲げ溶接成形の生産性の良さと鍛造法の品質を確保しつつ,周長可変の形状を一般的な汎用設備で生産可能な工法を開発し,グローバルな展開に対応することである(Fig. 5)。そのため生産設備は一般的なプレス機械であることが必要となる。 No.34(2017)面前後幅を拡大している。 現行デミオのTBAの断面形状をFig. 2に示す。車両中央部の断面をつぶし切ることで適切なねじり剛性を得ているが,使用している鋼管はその製造方法から均一周長の素管(Straight Pipe)となるため,トレーリングアームとの結合部近傍の断面がStraight Pipeの周長で決まる形状となっている。 これに対してSEBを用いたTBAは,Fig. 3に示すように周長可変の素管によって車両中央部からトレーリングアームとの結合部の間の各部位で必要な断面を確保した形状としている。 Conventional Straight and SEB Fig. 2 Sections of Conventional Straight Beam Fig. 3 Sections of SEB Fig. 4 Comparison of Geometric Moment of Inertia Fig. 5 Progress to Be Satisfied with Quality and Productivity 3. SEBのための周長可変の素管の製法

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