マツダ技報 2017 No.34
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全圧縮の場合でも板内板外の応力差が生じるため,無 3.7 溶接後の精度と品質 -174- マツダ技報 拘束での完全密着は得られないが,軽微の拘束力であることの確認のためを密着に要する荷重を測定した。これはGC ratio 2%の結果で,密着に必要な荷重は単に曲げたものの1/100以下であり,長さ1mあたり2kN以下の外力で型内状態の密着を再現できる。 て硬度が上昇する。しかし全圧縮のため全ての領域で硬度が上がっており,加えて板外側の硬度が板内側に比べて低い。これは板外側が初めに曲げ加工で引張りの後,圧縮を受けたことで,板内に比べて圧縮側の硬度より低くなったと考えられFig. 11の変形経路の正しさを示す。 以下,型内で完全密着した周長可変の素管の溶接治具での挙動について述べる。圧縮の後,ほぼ均一に弾性回復するということは,板の内外の応力差が少ないことである。すなわちFig. 11で示したσdcが小さくなることである。切り出し法による残留応力の大きさでこれを確認した。Fig. 21に測定部位と残留応力値を示す。ロール成形のパイプの残留応力は板内側が70MPaの圧縮,板外側が130MPaの引張りの残留応力があるのに対して,U-O成形の場合どの部位でも一桁少ない。すなわち板外板内とFig. 20に板面内の硬度分布を示す。通常の曲げ加工では中立軸である板厚中央の硬度が低く,板厚表面においも同様に弾性回復していることが分かる。Fig. 19で示したとおり人力で型内密着状態を再現できることが納得できる。 溶接治具内においても,2kN/mの拘束力を与え,型内と同じ状況が再現されていることを確認した。 挙げている。SEBにおけるクラッシュド成形を考慮して,へん平試験とV形状に潰す試験の二つでの評価を行った。へん平試験では,接合部以外の亀裂を確認した。 V形状に潰す試験では,周長可変の素管場合,亀裂は発生せず良好な結果を示した(Fig. 22)。電縫鋼管よりも優れていることが分かる。 幅も狭い。 JIS G 3445規格の直径の寸法公差によると,区分3号外径100mm以上の場合,外径の許容差は±0.5%である。両端の直径を測定すると,φ116.31mm~116.66mmであった。金型は弾性回復による圧縮応力除去後の直径の拡大は配慮せずφ116で製作した。弾性回復により直径0.3mmの拡大が確認された。弾性回復を考慮して金型製作をすれば±0.2%以下の周長可変の素管が得られることが分かった。また厚さに関しては,板の8%が許容差である。これに対してMax.2.77 mm,Min.2.59mmであった。これは±4%に相当する。素板2.56㎜であったので圧縮による板厚増加を考慮した設計が必要がある。 JISでは,鋼管の試験として,曲げ試験とへん平試験をFig. 23に溶接部の硬度及びその分布を示す。電縫鋼管に比してレーザー溶接は,硬度の上昇も低く,熱影響部のNo.34(2017)Gap Table 2 Compression Force to Make Ring without Fig. 20 Hardness Distribution Fig. 22 Compression Test by U-Shape Tool Fig. 21 Residual Stress

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