マツダ技報 2017 No.34
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-12- マツダ技報 (2) ホイールデザイン SUVの力強さを感じさせる大径サイズのタイヤに,19インチと17インチ2種類のアルミホイールを設定した。スポークを細く見せ,中心から外に向かって広がりを感じした,マツダ車に共通するドライバーとの一体感を高めるコックピットデザインを採用。その上で,ステアリングホイールのセンターからインストルメントパネル加飾,左右の空調ルーバーへと連なる要素の配置を同じ高さに揃え,ドアトリム加飾までつながる水平基調の造形とすることで,横方向へのワイドな広がりのある空間をつくり上げた。 パッセンジャー視点ではインストルメントパネルの重心位置を下げ視覚的な圧迫感を解消,広々と快適な空間に感じられるように内機のレイアウトを調整し断面のボリュームを吟味した。また,サイドデミスターやツイータースピーカーをAピラーに配置変更したほか,高さ約10mmという薄いスリットにCD/DVDプレイヤーを搭載するなど,徹底的にビジュアルノイズを排し,ドライバーが運転に集中できる,心地よい緊張感が感じられるデザインとした。 フロアコンソールは先代モデルより高くワイドなプロポーションとして,左右のアームレストと合わせ乗員の下半身をしっかりとサポート,コマンドポジションでも安心感ある上級SUVにふさわしい骨格を表現した。シフトノブの高さは人間工学的に操作が最もしやすい位置にレイアウトした。 後席においてもレイアウトの見直しを行った。座面高さを初代CX-5比で14mm低くし,シートバック角度を2°倒した。これに加えてリクライニング機構も追加し,快適性を大幅に向上した(Fig. 10,11)。 4.1 空間・・・心地よい緊張感と安心感 ドライバーを中心に操作機器や計器類を左右対称に配置No.34(2017)を持たせた(Fig. 8)。 られるデザインを採用した。 19インチホイールには,強い立体感を表現するためにセンター部の彫りの深さとスポークの断面変化のコントロールに注力した。これに加え,スポーク断面の先端部を切削加工とすることで,ソリッドで機械的なイメージを表現し,ボディーの有機的な造形表現とのコントラストを持たせ,足元を引き締めて見せている。 17インチホイールでもスポークを細く見せているが,本数を増やすことで密度を感じさせ,弱く見えないような工夫を行っている。また,ホイール色を暗めに落とすことで,ホイール単体のサイズではなく,タイヤ全体のボリュームでボディーを支えるイメージを表現した(Fig. 9)。 人間中心に構築した空間と,高い質感を極めたインテリアデザイン インテリアでは「空間」「質感」「フォルム」の領域を大幅に見直した。人間中心の思想の元,乗員を取り巻く構造物と素材のあり方にまで立ち戻ってデザインすることで,全ての乗員が心地よい緊張感と安心感,上質な仕立ての良さを感じられるデザインをつくり上げた。 Fig. 8 Front & Rear Lamps 19 inch Fig. 9 Alloy Wheels 4. インテリア 17 inch Fig. 10 Horizontal Theme of Instrument Panel Fig. 11 Center Console

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