マツダ技報 2017 No.34
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-16- マツダ技報 3.1 音の経路遮断シナリオと機能配分 遮音のカラクリは,「音源(エンジン,タイヤ)」「伝達(車体・内外装)」の大きく2つに分けられる。その中で,伝達の着目点を音のパネル寄与度解析を用いて分析し,新型CX-5は,ドライバーだけでなく,乗る人全てが快適に過ごせる車室内を目指し,静粛性の大幅な向上を実現した(Fig. 2)。これまでのモデルを開発してきた中で解明した「遮音のカラクリ」から「空気伝搬音の伝達経路遮断シナリオ」と,「ロードノイズ伝達メカニズム」から「最適なボディー放射音低減シナリオ」を構築し,内外装を含めた「機能量の再配分」を行った。 部位を特定して最適な個所に機能を配分し,遮音特性を向上させた。ボディー領域の一例としては,ダッシュロアーパネルの板厚アップにより遮音性能を強化し,車室内の静粛性向上を実現した。これを採用するに当たり,操縦安定性能への影響も考慮しながら構造を決定した(Fig. 3)。 サスペンションやボディー骨格を介してボディーパネルから放射される音がある。荒れた路面でも快適に過ごすことができる車内空間の実現にむけて,この放射音を低減する活動を行った。この活動では,CX-9の開発から用いているパネル等価放射パワー(Equivalent Radiated Power)の評価指標(2)で実車とCAE解析によるスタディを行い,寄与が高い経路と部品を特定し,最適な機能配分を実現した。具体的には後席足元のパネルとカウルメンバーにマスを設定し,リアフェンダーに制振機能のある制振材を付与することで,パネル振動を抑制し,音の低減を実現した(Fig. 4)。 した。タイヤから発生した音は,路面と車両との空間で反射を繰り返しながら伝搬する。この音が車室内へと侵入する経路としてフロア部がある。そこで,ボディーパネルとアンダーカバーの隙を縮小し,遮音性を向上させた。更に,3.2 最適なボディー放射音低減シナリオと機能配分 走行中の車内音の要因の一つとして,タイヤを起振源に3.3 NVH性能と空力性能に対するボディー部品の 機能統合 先代CX-5では空力性能に対する機能のみ持たせていたフロアアンダーカバーに対して,新たに吸遮音機能を付加No.34(2017)Fig. 1 Structure of New CX-5 Fig. 2 Balance Chart of Quietness Fig. 3 Up Gauging of Panel Thickness Fig. 4 Optimization of Body Panel 3. NVH性能(静粛性)
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