マツダ技報 2017 No.34
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5.1 米国道路安全保険協会(IIHS)Top Safety Pick+ 獲得に向けて 先代モデルではIIHSのSmall Overlap前突のStructure評価はAcceptableであったが,これをGoodまで改善を行-18- 4.3 リフトゲート開口部の剛性向上シナリオとその 達成手段 マツダ技報 リフトゲート開口部についても同様に,圧縮荷重が集中する部位に着目し,コーナー上下左右4カ所への補強を行った。コーナー下部は上述と同様に高剛性発泡充填材を設定することで断面崩れを抑制し,コーナー上部はDピラーとヒンジレインフォースメントとの断面のつながりを強化することで,リフトゲート開口部のマッチ箱変形を抑え剛性向上を図った(Fig. 8)。 新型CX-5は,世界各国の市場評価で最高ランク獲得を目指し開発を行った。各市場における評価基準が高くなる中で,更にSKYACTIV-BODYを進化させたフロントキャビン周りの開発事例について紹介する。 った。衝突時の入力を特定の部位で受けるのではなく,周辺部材へ効率よく分散させることをコンセプトとした。キャビンへの入力は,バリア及びタイヤ・ホイールの2系統ある。それぞれに対して,Aピラーの結合部やサイドシルに新たなロードパスを追加し,周辺部品への荷重伝達を増やすことにより,衝突エネルギーを効率よく吸収することで,キャビン変形量を減らし,車室内空間を確保した。 の伝達が悪化する。そこで,衝突エネルギーが主に構造体の稜線部分を通って伝わることに着目し,Aピラー接合部に新たにロードパスを追加し,前方からの入力をより広くに分散した。これによってエネルギーの吸収効率を上げた。更にAピラー付近の各部品の耐力を見直し,レインフォースメントの材質は1ランクUPした780MPa級へ,インナーの材質は2ランクUPした1180MPa級に変更することで断面耐力を向上させ,インナーの板厚1ランクダウンを実現し,質量低減を実現した。超ハイテン材の適用にあたっては,成形の難易度が高く,精度保証に課題が多かったが,生産技術部門やサプライヤー様との共創活動で得られた細かな形状工夫によって克服し,実現した(Fig. 9)。 「ヒンジピラーからサイドシルへ」伝達される。この伝達時のロードパスを増やすことでエネルギーを分散し,サイドシル前面部の吸収効率を高めた。これにより,サイドシルの耐力配分を減らし,サイドシルを構成する部品の板厚低減を実現した(Fig. 10)。 5.1.1 Aピラーの結合強化 衝突時の入力エネルギーは,「サスペンションタワーからヒンジピラーへ」,「ヒンジピラーからAピラーへ」と伝達される。その時,ヒンジピラーとAピラーの結合が弱いと,応力集中により結合部で折れが発生し,エネルギー5.1.2 サイドシル構造適正化 バリアに押し込まれたタイヤ・ホイールからの入力は,No.34(2017)Fig. 7 Rigidity Improvement of Rear Body Fig. 8 Change of Rear Body Structure Fig. 9 A-Pillar Section 5. 衝突安全性
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