マツダ技報 2017 No.34
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3.3 風騒音の低減 風騒音とは,高速走行時に車両廻りに発生する気流の また,Aピラー部分についても同様に,Aピラー側面で発生する渦を低減するために,Aピラー形状の検討を行った。CFDを用いて,Aピラー外板面の曲率,Aピラーとガラス面の段差の影響を流れ場解析し,Fig. 7に示すように,ピラー側面で発生する剥離渦を抑制して,走行時の耳元近くの風の音を低減した。 Fig. 7 Reduction of Aerodynamic Noise from A-Pillar 更に,新型CX-5から新たにドア廻りにパーティングシールを設定し,ドア廻りの段差隙により発生する細かな空力騒音を抑制した。 -22- マツダ技報 Fig. 5 Improvement Case of the Noise from Backward その他にも,トランクボードやサブトランクと内装材Fig. 6はワイパー~カウル部分中央断面のCFD検討結果を示したもので,赤い部分の剥離渦が大きく,その低減を検討した。前CX-5では気流がワイパー部分に衝突し,剥離渦がワイパー前側と後ろ側に発生していた。このワイパーへの気流の衝突を回避するために,新型CX-5はワイパーの位置をボンネット下側へレイアウトすることで,No.34(2017)や塞げない穴への車室内への侵入音の吸音対策を行った。 以上のような活動を行うことで,車両全体の穴・隙を縮小して,会話明瞭度を向上させた。 そこで, エキストラクターから侵入した音をトリム内部で効率的に低減させることで,通気経路の伝達特性の改善を図った。エキストラクターとトリムグリルの間の経路長を確保し,更に, その経路上に吸音材を配置することで,経路内の吸音面積を拡大し効果的な侵入音の低減を行った (Fig. 5)。 との間の隙を縮小し,トノカバーと後席シートバックの間の隙を可動式フラップによって縮小するなど,音の侵入経路を塞ぐことで後方からの車室内侵入音を低減した。 乱れで生じる音(空力騒音)が車室内へ伝搬し,乗員に聞こえる音である。風騒音を低減するためには,音源の空力騒音と音の伝搬を抑制することが必要である。 空力騒音は,気流の乱れ(剥離渦)による空気の変動によって発生するものであり,車体表面に沿って流れる風が車体から離れる部分において気流の乱れが発生するため,キャビン廻り,特にワイパー~カウル部分,Aピラー,ドアミラーなどの形状の影響が大きい。この剥離3.2 前席と後席の音圧差の縮小 前席と後席の音圧差の縮小のために,後方からの車室内侵入音を分析し改善を実施した。音の可視化分析から, 車室内側の主要音源はエキストラクターから侵入するタイヤ騒音であることがわかった。 渦の抑制が空力騒音抑制の重要なポイントであるが,気流を実験的に可視化することが難しく,CFD(Computational Fluid Dynamics)を用いて気流の把握を行った。 カウル部分で発生する剥離渦を抑制し,空力騒音を低減することができた。 音の伝搬対策としては,遮音性能を高めた遮音ガラスをサイドウィンドウに採用することとした。 Fig. 6 Improvement of Aerodynamic Noise by Changing the Layout of Wiper and Cowl
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