マツダ技報 2017 No.34
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3.4 音の減衰時間の短縮 車室内の音の響きは,車室内に面した部品が音を反射することにより発生する。Fig. 8のように,反射する音の伝達経路は長く音源から直接耳に到達する音に対して 3.5 ロードノイズの低減 荒れた路面でのロードノイズは,タイヤが受けた路面 音の響きの長さと車室内吸音の関係は,ドア閉め音の -23- No.34(2017) マツダ技報 Absorption Coefficient Closing 遅れて耳に到達するため,反射音が大きくなれば音の響きは長くなる。従って,音の響きの長さを短縮するためには,車室内部品の吸音機能を向上させて音の反射を小さくする必要がある。 減衰時間の計測によって把握した。更に,その結果を用いて,目標の減衰時間達成に必要な車室内吸音量を明らかにし,各内装材部品の吸音機能に配分することにより,それぞれの部品に必要な吸音特性を決定している。新型CX-5は,前モデルに対して,吸音特性の高い天井内装材を用いることで音の減衰時間を低減させた。Fig. 9は天井内装材の吸音特性を示したもので,新型CX-5は,前CX-5に対して基材の変更等によって吸音特性を向上させている。 刺激が振動となり,サスペンションや車体骨格を伝達し,車室内に面するパネルから音となって放射されて乗員耳位置まで届く現象である。 伝達特性を表す指標として,タイヤホイールから伝わる力に対し,各パネルで放射される音響パワーを示したERP(2)(Equivalent Radiated Power)を用いた。 きく,この部位の放射音を低減することが効果的であることを示している。 達経路上に存在するサスペンションや車体の共振のうち,ERPへの寄与が大きい現象を抑制することが重要である。そこで,解析上で各共振の因子となる特性パラメータを変化させERPの変化を確認することで寄与が大きい共振現象を抽出した。 ERPの目標設定は,ロードノイズの周波数帯域まで分析が可能となった実機での音の可視化結果も考慮して設定した。Fig. 11はトップシーリングから放射される音の大きさを可視化した事例で,赤い部分からの放射音が大ERPの低減については,入力点から放射部位までの伝Fig. 10にドア閉め音の減衰時間の測定結果を示す。新型CX-5は特に高周波域の減衰時間を短縮し,会話のしやすい音響空間を実現した。 Fig. 8 Delay Caused by the Reflection Sound and the Control by Interior Sound Absorption Fig. 9 Parts that Control Sound and the Sound Fig. 10 Evaluation of the Sound Decay Time at the Door
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