マツダ技報 2017 No.34
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耐ノック性改善による高負荷域の更なる燃焼改善 高負荷域の優れた燃焼を軽負荷域でも実現するこ 新型エンジンは,このロードマップに従いFig.2に示す新技術を採用した。SKYACTIV-Gは高圧縮比化に代表される燃焼技術の革新により,燃料消費率を大幅に低減し ←←←← -36- マツダ技報 暖機促進による冷間時の燃費改善 加えて,高価な後処理システムに頼ることなく,今後Fig. 1 Vision for Evolution of Internal Combustion Eng カタログ燃費を測定する走行モードは比較的軽負荷の使用頻度が高いが,実際のお客様の使われ方は多様で,軽負荷から高負荷,全開域まで幅広く使用する。マツダは,お客様の使われ方を想定した“実用燃費”と“意のままの走り”を両立させるため,適切な排気量を確保してきた(ライトサイジング)。しかしながら,排気量の大きさゆえに軽負荷域の燃費効率では,他社ダウンサイジングエンジンに劣る領域がある。また,冷間時にはSKYACTIV-Gの持つ高い効率を十分に発揮できず,カタログ燃費との乖離を生んでいる。 これらの現状認識を踏まえ,全てのシーンで優れた燃費と意のままの走りを実現するため,以下のコンセプトを掲げて既存エンジンを進化させた。 とによる劇的な燃費改善 一層の厳しさを増すエミッション規制に対応するため,SKYACTIV-Gで培ってきた筒内空気流動や燃料噴射技術の更なる進化を実現した。 マツダは究極の内燃機関を目指し,Fig.1に示した7つの制御因子を理想状態に近づける取り組みを進めている。 た。新型エンジンでは,この強みを更に進化させるべく,ポートやピストン形状の工夫により耐ノック性を向上させ,高負荷域の燃料消費率を改善した。そして,この優れた燃焼を軽負荷域でも実現させるため「気筒休止システム」を採用した。更に「非対称ピストンリング」や「可変容量オイルポンプ」により機械抵抗を低減させることで,全ての負荷領域でダウンサイジングエンジンを凌駕する燃料消費率を達成し(Fig. 3),かつ出力性能を改善した(Fig. 4)。 また,エンジン始動直後の冷えた状態では燃料が気化しにくいため余分な燃料が必要になる。新型エンジンは,「冷却水制御バルブ」の採用により,冷却水の循環経路を適切に切り替えることでエンジン暖機を促進し,冷間時の余分な燃料を大幅に低減した。 No.34(2017)*1: Hydraulic Lash Adjuster Fig. 2 SKYACTIV-G 2.5 with Cylinder Deactivation Table 1 Specifications EngineEngine TypeDisplacementBore x StrokeCompression RatioFuel InjectorFuel PressureValve TrainOil PumpCoolant Flow ControlSKYACTIV-G 2.5In-Line 42488cm289mm x 100mm13DI6 holes20MPa maxHLA (*1) + Roller followerElectric control2 stagew/oSKYACTIV-G 2.5Cylinder DeactivationDI6 holes w/short penetration30MPa max#1/4: S-HLA + Roller follower#2/3: HLA + Roller followerElectric controlVariablew/2. エンジン開発コンセプト 3. エンジン諸元とシステム
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