マツダ技報 2017 No.34
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4.2 新しいオープンエア感覚 ロードスター RFは独自のリアルーフ形状と,ルーフの作動と連動して開閉するバックウィンドウにより,安 先代のハードトップモデルでは手動式だったトップロ 4.3 独立したトランク ロードスターは,初めてリトラクタブルハードトップを採用した3代目モデルから,ルーフを収納するために,トランクの実用性を犠牲にすることはしていない。ロードスター RFもルーフをキャビン側に収納することで,ルーフの開閉操作時も収納時にも,これらに全く影響を クローズとオープンがスマートに切り替わる一連の所 -49- No.34(2017) Front Roof Middle Roof マツダ技報 プン時は頭上の2つのルーフとバックウィンドウが収納され,リアルーフはボディーの上に残るスタイルとした。 アウターパネルの素材は軽量化と機能性を追求し,フロントルーフにはアルミ,ミドルルーフは鉄,リアルーフはSealed Mold Compound(SMC)を採用した。また,リアルーフ部の黒いガーニッシュには,無塗装でも高い質感を実現するバイオエンジニアリングプラスチックを採用した。 ハードトップ化に必要な部品の軽量化にもこだわった結果,ソフトトップモデルに対してルーフ機構部分による重量増を約45kgに抑えた。 ックは電動式とすることで開閉操作を簡略化し,利便性を高めた(Fig. 4)。 作の美しさにこだわり,フロントルーフ,ミドルルーフ,リアルーフ,バックウィンドウそれぞれのパーツの動きをオーバーラップさせながら動くよう制御。流れるような美しい開閉動作と、約13秒のルーフ開閉時間を実現した(Fig. 5)。またロードスター RFでは新たに,10km/h未満であれば走行中でもルーフの開閉操作ができる制御を採用した。 心できる包まれ感と爽快な開放感を両立させた新しいオープンエア感覚を実現した。オープン時に,バックウィンドウを開放することで,車両後方から聞こえてくる爽快な排気サウンドを楽しみながら走る,オープンカーならではの醍醐味も演出した(Fig. 6)。 オープン時に後方から巻き込んでくる風を効率的に抑えるために,リアルーフのトップ部形状を最適化するとともに,ソフトトップモデルよりも大型のエアロボードを採用した。また,エアロボードの素材には透明なアクリルを使用することで,強めの風にも対応できる剛性と後方視界の確保を両立した。 受けない独立したトランクを確保した。容量はソフトトップモデルとほぼ同等を確保し(127L/DIN方式),550mm×400mm×220mmサイズのキャリーオンバッグ2つを積載することを可能とした。そのうえでトランク内Fig. 3 Power Retractable Hardtop Roof Fig. 4 Power Top Rock Rear Roof Fig. 5 Elegant Opening and Closing Sequence Fig. 6 New Open-air Sensation

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