マツダ技報 2017 No.34
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-51- No.34(2017) 5.3 パフォーマンスフィール ロードスター RFでは,オープンカーの世界観を拡げ,6 マツダ技報中山 雅参考文献して造り込みを行った。その中でも特にクローズ時の静粛性に注力し,フロントルーフとミドルルーフの内側に、吸音性能を持ったヘッドライナーを採用,リアホイールハウスには,エンジンルームにも使用している遮音材を追加するとともに,制振材パネルを採用,また,サイドシルと連なっているリアフロア左右のボディーパネルにも遮音材を設定した。更には音漏れの原因となる穴を徹底して塞ぐなどの対策により,後方から透過してくるロードノイズを大幅に低減。これらにより,ロードスターRFの上質な走りが更に際立つ質感高いキャビン空間を実現した。オープン走行時の風騒音を低減するために,リアルーフ内側のリップ形状を工夫して,乗員の耳元に近いBピラー上部への不快な風の巻き込みを抑制した。小さな形状の工夫で,美しいデザインを守りながら,風騒音を効果的に抑えた。より多くのお客様に対してオープンエアドライブを楽しんでいただきたいと考え,パワートレインはSKYACTIV-G 2.0の直噴ガソリンエンジンを設定した(Fig.11)。「原点回帰」をコンセプトに,ライトウェイトスポーツカーとして,「人がクルマを楽しむ感覚」を徹底追求したソフトトップモデルに対し,RFではよりトルクフルで余裕のある走りを追求した。ダイレクトレスポンス,伸び感,エンジンサウンド,そしてシフトとクラッチフィールの軽快さによる気持ちのいい走りなど,ソフトトップモデルで造り上げた「人馬一体」を追求したパフォーマンスフィールと、ロードスター RFで磨き上げた上質感とが相まって、軽快でありながらも落ち着きのある上質な走りを実現した。マツダの安全思想「Mazda Proactive Safety(マツダ・プロアクティブ・セーフティ)」に基づいた造り込みにより,先進安全技術「i-ACTIVSENSE(アイ・アクティブセンス)」や優れたパッシブセーフティなど,ソフトトップモデルで実現した高い安全性能を継承している。また,人馬一体の走りの楽しさとともに燃費性能の向上にも注力し、スムーズなストップ&スタートと低燃費を実現する「i-stop(アイ・ストップ)」と、減速時の運動エネルギーを電気として再利用して燃費の向上に貢献する「i-ELOOP(アイ・イーループ)」を設定した。 私たちは,ロードスター RFは全ての造り手が高い志を持って共創し更なる進化に挑戦し続ける,マツダにしか成し得ないクルマであると自負している。これまでもこれからも,ロードスターが目指すのは,誰もがしあわせになり,誰もが楽しくなるクルマであり,大切なものを継承することへの誇りを持って,挑戦し続けていきたい。■著 者■山口 宗則下村 剛(1) 山本ほか:新型ロードスターの紹介,マツダ技報,No.32,pp.93-98 (2015)Fig. 11 SKYACTIV-G 2.0 6.安全・環境への配慮7.おわりに
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