マツダ技報 2017 No.34
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*1~4 車体技術部 -75- 特集:生産技術領域の進化14 No.34(2017) ~プレス工程設計編~ マツダ技報 マツダの魂動デザインを具現化するには,クルマに命を与えようとする想いとモノづくりの技術力,そして匠の技による造り込みが不可欠である。エクステリアデザインの多くの部位を担うプレス成形部品においても,量産車として魂動デザインの具現化に携わる全ての人がデザイナーの想いを共有するとともに,技術力の向上と匠の技に磨きをかけ続けている。新世代商品群において魂動デザインをプレス成形部品で再現するには,キャラクターの造形では疾走する動物の筋肉を思わせるなど,生命感あふれる動きを表現するために新たなレベルの忠実な再現を必要とした。本稿ではプレス工程設計領域において,マツダの「モデルベース開発」の考えを礎とする新たな外観品質保証プロセスの構築に向けた取り組みを紹介する。 Summary マツダはブランドエッセンスに「走る歓び」を掲げ,単にクルマの走行性能だけではなくマツダを選ぶことがお客様の自信と誇りにつながることを目指している。 「走る歓びをかたちにする」を念頭に,マツダならではの「ドライビングフィール」と「デザイン」を具現化するマツダの生産技術者が目指す姿のひとつは,モノづくりの技術力を圧倒的に向上させることで,デザイナーによる発想の上限を外してもらうことである。より自由に理想を追求し表現されたデザインをデザイナーと生産技術者がともに具現化を目指すことにある。 外装部品の多くはプレス成形にてかたち作られるが,プレス領域の量産準備業務では,それぞれの領域においてデザイン部門との対話を繰り返し,数々の量産モデルを経てひとつひとつの技術開発を積み重ねることで魂動デザインの進化を実現している(Fig. 1)。 要 約 大谷 肇*1 Hajime Otani岡田 又治*4 MataharuOkada岩田 成弘*2 MasahiroIwata 西村 良治*3 Yoshiharu Nishimura「魂動」デザインの再現に向けたこだわりのモノづくり Thoughts and finishing by the manufacturing “MONOZUKURI” technology and the skill of “Takumi” to give a car a life are indispensable to embody “KODO” Design of MAZDA. In stamping molding parts taking many parts from the exterior design, all fields engaged in the embodiment of the “KODO” design as a mass production car, share the thought of the designer and continue to improve the “MONOZUKURI” technology and the skill of “Takumi”. A new level of faithful reproduction is needed to reproduce “KODO” Design with stamping molding parts in a new generation line of products, this is to express the muscle of the animal which ran at full speed by the molding of the character, and the full feeling of vitality movement. This report introduces the approach of the stamping process design field which for the construction of the new appearance guarantee of quality process to assume a thought of "the model base development" of Mazda a foundation. Body Production Engineering Dept. 1. はじめに Discerning Manufacturing for the Reproduction of “KODO” Design Part of Stamping Process Design

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