マツダ技報 2017 No.34
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3.2 従来までのキャラクター部外観品質保証プロセス 従来のキャラクターの造形では,よりシャープな“R” これらのプレス成形特有の現象に対して以下の技術課 3.3 魂動デザインの進化に呼応するプロセスの再構築 これまでのプレス領域の量産準備業務では,CAEやデザイナーとの共創を基軸とした机上段階での作り込みと 2.2 魂動デザインにおけるキャラクターの役割 魂動デザインを詳細に確認すると,際立った抑揚を持 -76- マツダ技報 き出す一瞬の強さや美しさをクルマのデザインに昇華させるとともに,クルマをただの鉄の塊ではなく,まるで生き物のように生命感を感じさせるものにしたい,それが魂動デザインである(1)。商品群としてコアとなるデザインテーマを表現しつつ,それぞれのクルマが持つデザインキーワードをあわせて表現することで数々の商品を経ながら魂動デザインは進化を続けている。 つ異なる面の集合体で形成されていることがわかる。面の抑揚には光や見る角度によってなめらかに移り変わるリフレクションの表情をボディに与えることで,見る者の感情を揺さぶる仕掛けが織り込まれている。 それぞれ異なる面の部位と部位をつなぐのがキャラクターである。魂動デザインにおけるキャラクターは単に面と面をつなぐための“R”や“ライン”ではなく,デザインを構成するひとつの面であり,隣接するそれぞれの部位の面を更に際立たせる重要な役割を担う。 2.1 魂動デザイン 魂動デザインは,デザインコンセプトモデル“靭(SHINARI)”からクルマとしての具現化が始まり(Fig. 2),新型CX-5にも採用された新世代商品群を通じてのデザインテーマである。生物が目標に向かって動現」の美しさを取り込んだクルマの造形に取り組み続け,魂動デザインでは生き物が見せる一瞬の動きの強さや美しさを「動きの表現」の究極の姿と考え,デザインテーマを大きく進化させた。 この進化に伴い,プレス成形の工程設計においても従来の考え方や工法から更なる変革が求められた。 をプレス成形により造形すると,キャラクターには以下の現象が発生しデザインの再現性が失われた(Fig. 3)。 (1) キャラクター頂上部の局所的な板厚減少 成形時に発生する板厚方向の応力により,パネルの表裏における伸び量の差が極端に大きくなり局部的に板厚が薄くなる。 (2) 幅方向における弾性回復によるR値の増大 平面的な伸び量が少ないため,パネルが曲面形状から平面形状に戻ろうとする弾性回復の影響を受けている。 題に取り組んだ。 ① パネルの表裏形状を再現する外観品質検証技術 ② 表裏の歪差を制御する形状凍結技術 ③ デザイナーの感性に近づく外観品質評価技術 それぞれの技術開発から新たな外観品質を保証するプロセスへと構築し,従来のデザインで求められてきたキャラクターを具現化した。 金型製作以降の実機段階での品質育成によりデザインの具現化を実現してきた。しかし,前述の2.2にあるようにキャラクターは魂動デザインを忠実に再現するうえでより重要性を増した。 3.1 魂動デザインにおけるキャラクターの忠実な再現 マツダのデザインは,人の心を強く動かす「動きの表No.34(2017)Fig. 1 V-Type of Stamping Production Readiness Fig. 2 Concept Model MAZDA SHINARI Fig. 3 Point Indicated by Designer 2. 魂動デザイン 3. 外観品質保証プロセスの再構築
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