マツダ技報 2017 No.34
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*1~5 ツーリング製作部 -81- 特集:生産技術領域の進化 15 No.34(2017) マツダ技報 「クルマに命を与える。それがマツダのデザイン。」この言葉が表すことをお客様に感じていただくためには,単純に形を似せて造るということではなく,デザインに込められたデザイナー/モデラーのこだわりや想いまでも忠実に再現させることと考える。この「魂動」デザイン再現に向けて,マツダの金型製作部門では緻密な意匠面を高精度に加工する技術開発や磨き技能の向上,更にはデザイナーの想い/志を共有する取り組みを共創活動として進めてきた。本稿では,それら「魂動」デザイン再現のための金型製作部門における取り組みについて紹介する。 Summary マツダは,いつまでもお客様に愛され続けるOne&Onlyのメーカーでありたいという思いから,ブランド構築を重視した「ブランド価値経営」を全社で展開している。その活動理念の根本にあるのは,「走る歓び」を通して,お客様の五感を刺激し,情感を豊かにするための商品/サービスを提供し続けるということと考えている。そして,これを実現する上で重要な「お客様への提供価値」の1つとして「魂動」デザインがある。鉄の塊であるクルマに命を与えたい,生命感を感じるデザインにしたいという志をベースにデザイナーとモデラーが妥協することなくこだわり抜いて作りあげる,いわばアー要 約 西本 光毅*1 Mitsuki Nishimoto安楽 健次*4 KenjiAnrakuトというべきものである。 この「魂動」の志までもしっかりとパネルへ受け継がせるため,プレス金型製作領域で取り組んでいる新たな金型造りについて紹介する。 従来は,開発部門からリリースされたデザインのCADデータが全てで,そこに込められたデザイナー/モデラーのこだわりを十分反映できていない金型製作を行っていた。これでは「魂動」の志をお客様にしっかりお伝えすることはできない。 長澄 徹侍*2 Tetsuji Nagazumi 大塚 宏明*5 HiroakiOhtsuka 佐々木 忠義*3Tadayoshi Sasaki「魂動」デザインの再現に向けたこだわりのモノづくり “BREATHING LIFE INTO THE CAR. THAT’S MAZDA’S DESIGN PHILOSOPHY.” To convey the true meaning of this message to our customers, it is important to reproduce the obsession and aspiration of designers and clay modelers rather than simply sculpting a physical form. Aiming at giving shape to Mazda’s “KODO Design” language, the Tool & Die Production Dept. worked, as part of its co-creation activities, on development of a technology for high-precision milling process, improvement in handwork skills, and sharing of the designers’ vision and aspiration. This article introduces the tooling performance developed with the aim of embodying the “KODO Design” concept. ~プレス金型製作編~ 1. はじめに 2. デザインの想いを知る Tool & Die Production Dept. Discerning Manufacturing for Reproduction of “KODO” Design - Die Manufacturing -

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