マツダ技報 2017 No.34
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この切削方法によって,切削用NCデータを作成する作業者が面の流れを意識した切削方向を設定でき,均一な このように機械加工の問題事象を見ていくと,機械精 4.2 機械加工精度の向上 形状加工では,まず再現性を高める切削方法として, (iiii -83- )mm etar deef gnnhcaM ecnatsd evom sxa-Z Fig. 4 Reduce Feed Rate at Shape Which Suddenly No.34(2017) マツダ技報 度/工具精度よりも,削り方に起因する工具の状態変化の影響による加工精度劣化の方が多大であることが分かってきた。よって,「魂動」デザインを再現できる金型加工の高精度化と送り速度アップによる効率を両立するために,形状再現性の高い切削方法で,かつ,形状凹凸の影響を受けず工具姿勢が安定し,切削中の送り速度の減速が少ない工具経路の実現が必要と考えた。 形状特徴に応じた切削方法に変更した。意匠面は面沿い長手加工,意匠面以外は形状特徴に合わせて等高線加工と形状周回加工を採用した(Fig. 5)。切削用NCデータは市販のCAMを使用して作成した。 質感の加工面を作りだし,消えてゆくキャラクターラインも正しく表現できるようになった。また,切削途中で凹凸を横切る回数が激減でき,工具姿勢の安定化と送り速度の減速の少ない加工につながった。更に,切削方法に合わせて1つ1つ切削条件の調整を行い,平均値のズレやバラツキを揃え,形状全体の加工精度向上を図った。 結果,加工面粗さについてはRz=5μmまで改善することができた。旧式のNC加工機でも,機械加工後の寸法精度/面粗さの劇的な改善となり(Fig. 6),寸法精度のバラツキである3σは従来と比べ44%向上できた(Fig. 7)。(2) Rapid Angle Shape: Z-Constant Machining Slow Angle Shape: Concentric Machining Fig. 5 High-Precision Machining in Accord with Shape Characteristic Fig. 3 Parallel Machining Changes Design Shapes: Machining Along Shape Acceleration Acceleration Stop Deceleration→Stop X-axis move distance (mm) Turn-round Shape sudden change department no shape change=ordered speed Deceleration→Stop StopFig. 6 Machined Shape

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