マツダ技報 2017 No.34
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t iG ioi: 結果,磨きバラツキを抑える制御因子4つが分かり,この4つを作業手順に落とし込むことにより若手作業者の磨きバラツキを1/8へ抑え,匠と同様な磨き作業の実現と磨き技能の技術化に成功した。 -85- enoSgndnirgnsUhgeWehTY f t Selecting the Basic Function Fig. 13 Selection of Basic Function & Control Factor, 市販品の砥石の主な考え方は “よい砥石=よく削れる”No.34(2017) マツダ技報 そこでカスプを研削した際に深いキズが入らないようにするため,砥石の切削メカニズムに立ちかえった。 砥石の構成には3要素「砥粒」「結合剤」「気孔」があり,それぞれのパラメータの組み合わせにより砥石の性能が決まる。市販品から20種を準備し,深いキズが入らず,磨き効率が落ちない砥石を3要素の切り口から検証したが,ねらいどおりに磨けるものがなく,マツダ独自の砥石開発へ移行した(Fig. 11)。 だが,マツダのねらいは,「デザイン面は傷つけず,カスプを効率的に落とせる」という品質・効率を両立させるものになる。そこでマツダのデザイン重視の考えに共感いただけるメーカー様と一緒に,「良い砥石=デザインを守る」という考えの下,共創活動を行った。 形状を守るために「研削負荷が高くなる(カスプが研削されてデザイン面に達する)と先に砥粒が脱落すること」をねらい,3要素のパラメータを変更した試作品を数種類製作した。検証を繰り返した結果,ねらいの磨き性能を発揮する砥石の開発に成功した。この砥石でスムージング作業を行うことにより,デザインのねらいどおりに光の映り込みも再現することが可能となった (Fig. 12)。 最後に「若手の磨きスキルの向上」については,新たに開発した砥石を用いても磨きの匠と若手作業者では,研削量のバラツキに差が出ていた。そこで品質工学を用い,若手作業者でもバラツキを抑えた研削が可能になる作業方法の確立に踏み出した。 まず,磨き作業のあるべき姿を探るため,機能系統図を用い磨き作業を機能分解した。あるべき姿を「最小の砥石使用重量で,加工後のカスプのみを全て除去する状態」とし,これから基本機能を(Fig. 13)のように設定した。 制御因子は,匠と若手作業者の磨き動作の違いに着目し8因子を選定。誤差因子は次世代デザインのネガ・ポジ形状とした。実験方法は,作業前後の砥石重量を測定し,基本機能で評価した。 これらの対策「磨き工程の見直し」「磨きツールの開発」「若手の磨きスキルの向上」を通して「魂動」デザインを忠実に実現する技術が確立でき,今まで以上に高品位/高精度な金型が製作可能となった。(3) 金型製作をこれまでのキャラクターライン重視の製作方法から,面(デザイン面)重視の製作方法に変更するとともに,自部門でのデザイン面評価方法も変更した。これまでの官能評価から,デザイナー/モデラーと同じようにリフレクションで評価することで,デザイン面の再現性を判断することにした。これにより,自分たちが仕上げたデザイン面の素性を確認できるようになり,アウトプットの評価も可能になった。また,リフレクショ Fig. 11 Three-Element Control “KODO” Light’s Reflection Fig. 12 Results of Grinding for ”KODO” M:The Volume of Cutting Error Factor Control Factor, Error Factor 6. デザイン面評価方法の変更
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