マツダ技報 2018 No.35
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℃ (er ua repm eT mN Fig. 11 Relationship between Joining Time and Torque -98- t)005)4321080246(euqroTAluminum surface OutsideFig. 8 Measuring Position of Temperature Fig. 9 Photo of Test Piece after Joining 10 7.5 CFRP Center接合ツールには,径φ6,8及び10mmの3種類を用いた。ツール回転数は1000~15000rpm,ツール挿入速度は6~60mm/minの範囲とした。また,ツール挿入量はツール先端のプローブがアルミニウムに接触した位置から挿入終了までの移動量であり,全ての条件で1.0mmの一定とした。 接合中に,熱電対及びレーザ表面温度計により界面及びアルミニウム表面(Fig. 8)の温度を,アンビルに組み込んだロードセルによりツール加圧力をモニタリングした。同時に,接合装置の駆動軸モータートルクを出力した。接合強度は,ISO19095 Plastics―Evaluation of the adhesion interface performance in plastics-metal assemblies―に準じた引張せん断試験により測定した。 Fig. 9に,接合後の試験片外観写真を示す。前述のとおり,アルミニウム側にはツールに対応したへこみが形成されるが,樹脂側はほぼ元の平坦なままである。接合条件によっては,本写真のように溶融した樹脂が上下板間の外部に排出されたバリ部が形成される。 る。ツール先端のプローブがアルミニウム表面に接触し昇温が開始する。次にショルダーがアルミニウムに接触した時点から急激に温度上昇し,その後は各測定位置とも接合終了まで緩やかに温度上昇する。最高到達温度は接合界面中央部でポリプロピレンの分解温度(約280℃)を超える500℃近くまで上昇しており,周辺部分でも溶融温度(166℃)を超える温度に上昇する。 600500400300200100Fig. 10 Temperature Change of Each Portion Dia.:φ10mmR/S:3000rpmP/S:6mm/min.P/D:1.0mmAluminum surface10Joining time(sec.)Dia.:φ10mmP/S:6mm/min.P/D:1.0mmJoiningtime(sec.)CenterOutside1520R/S3000rpm9000rpm15000rpm10マツダ技報 Fig. 10に,接合時間と上下板界面及びアルミニウム表面温度の関係の一例を示す。接合条件は図中に示していFig. 11に,接合中の駆動軸トルクのモニタリング結果の一例を示す。軸トルクは初期に急激に立ち上がり,そ の後は接合が終了するまで緩やかに低下する。また,同じ挿入速度であれば最大軸トルクは回転数が小さい程大きくなった。荷重についても軸トルクとほぼ同様の傾向を示した。 接合温度や軸トルク,荷重に及ぼす接合条件の影響を見ると,ツール挿入速度の増加に伴い軸トルク,荷重のピーク値は増加するが,界面の最高到達温度は小さくなる。これは,荷重,軸トルクが上がることで界面の昇温速度は増加するものの,逆に接合時間が短く,温度上昇する前に接合が終わってしまうからである。ツール回転数の増加に伴い,荷重及び軸トルクのピーク値は低下する傾向を示した。界面の最高到達温度は,ツール回転数を3000 から15000rpm に増加させてもあまり変化しなかった。ツール径を大きくすると荷重及び軸トルクのピーク値は増加した。界面中心の温度はツール径を変えてもあまり変化しないが,外周温度はツール径とともに増加した。 No.35(2018)

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