Fig. 2 Result of the Catalytic Performance Evaluation -103- (a) Rh Loaded Al2O3 3.3 Rh表面状態分析結果 (2)Rh表面酸化の還元挙動の解析 (1)酸化挙動の解析 3.1の結果から,Rh表面酸化状態と浄化特性の相関を明確にするため,Table 2のO2の条件下でNAP XPSで行った。 Fig. 4は各温度において得られたRh 3dスペクトルを示す。Fig. 5はそれを等高線で示したもので,ピーク強度を規格化し,図右のカラーバーに示すように存在割合を 0~100%で色分けした。室温ではおよそ307.3eVに金属Rhに帰属されるピークのみが見られた。酸素中で昇温していくと,等高線の変化から,150℃付近から270℃付近まで徐々に金属Rhが減少,308.3eVの酸化Rhに帰属されるピークが増加し,酸化Rhの割合が高くなった。その後400℃まで変化が見られなかった。この結果から,性能評価の前処理Lean①~④において,Rhの表面が酸化していると考えられる。 表面酸化し触媒浄化特性が低下したRhを還元することで性能を回復させる制御を検討するため,Table 2のCOの条件下でRh表面状態分析をNAP XPSで行った。結果をFig. 6に示す。室温では表面酸化状態を示しており,CO中で昇温していくと150℃付近から徐々に金属Rhが増加し,200~230℃にかけて還元が急速に進行し,250℃付近で完全に金属Rhへ変化した。 次に,酸化成分と還元成分のモル比を1にしたλ=1の条件でRh表面状態分析をNAP XPSで行った。結果をFig. 7に示す。室温では表面酸化状態を示しており,λ=1の(a) Fig. 3 TEM Images (b) (b) Rh Nanoparticles on a TEM Grid Fig. 4 XPS of Rh 3d Under Oxidation Fig. 5 XPS of Rh 3d with Contour Line Under Oxidation No.35(2018) 3.2 Rh構造分析結果 触媒の浄化性能を向上させる手法として活性種であるマツダ技報 貴金属のナノ粒子化がある。これは,高い表面積と構造的・電子的に高活性なことを利用したものである。Fig. 3(a)にRh担持Al2O3のTEM観察像を示す。今回評価に用いた触媒もRhナノ粒子であり,球状で平均粒子径は2.0nmであった。このRhナノ粒子におけるガス成分の吸着・脱離・反応現象を正確にとらえるため,Rhナノ粒子をSi基板に蒸着したものを作製した。Fig. 3(b)にTEM観察用にグリッド上に蒸着したRhナノ粒子のTEM観察像を示す。触媒中Rhと同様に球形で平均粒子径は2.7nmであり,Rhナノ粒子としては同様な構造的・電子的性質が得られると考え,NAP XPSのサンプルとした。
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