マツダ技報 2018 No.35
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-104- 更に詳しく反応過程を解析するため,Fig. 8にN 1sスペクトルを,Fig. 9に同時計測した反応後のガス組成分析結果を示す。Fig. 8において,室温で403.5eVにNO2に帰属されるピークが観測された。これはNOが吸着して表面酸素と相互作用してできたものである。等高線の変化より,NO2は200℃付近で脱離し,その後230℃付近から397.5eVに原子状Nに帰属されるピーク及び400eVにNOに帰属されるピークが現れた。原子状Nは金属Rh上でNOが解離することによって生じると考えられる(5)。またFig. 9において,CO2の生成が200℃付近から始まっており,反応中NAP XPSでCOの吸着はほとんど見られなか 3.4 エンジンを用いた効果の確認 3.3で得られた結果をエンジンを用いて検証した。運転はTable 3に示す条件で行った。安定化前処理,酸化処理の後,還元は従来制御条件:空燃比13.3及び新制御条13CO2 ガス中で昇温していくと,等高線の変化から,200℃付近から金属Rhへの変化が始まり,250℃付近で大部分が金属Rhへ変化した。COガス単独での還元と比較すると,還元開始温度は異なるものの金属Rhへ変化する温度は大差なかった。以上のことから,ガス組成の違いによって表面反応過程に違いがあると考えられる。 った。また,250℃付近からN2強度がわずかに上昇し始め,350℃付近からN2が明確に生成し始めた。以上のことから,COと酸化剤であるNOとO2が共存するλ=1条件では,COの吸着サイトをNO2が占有してしまうため還元が進みにくい。NO2脱離後CO吸着が可能となりRhの還元が進むとNOの解離吸着や分子吸着が起こり,N2が生成すると思われる。 以上の結果から,表面酸化Rhを低温より効果的に還元するには,温度を上げてNO2を脱離させる,または,含有NOをできるだけ少なくすることが有効であると考える。現行主流の三元触媒は400℃以上で使用されていることから,後者が有効であると思われる。 Fig. 6 XPS of Rh 3d Under CO Reduction Fig. 7 XPS of Rh 3d Under λ=1 Condition Fig. 8 XPS of N 1s Under λ=1 Condition Fig. 9 Profiles of Gas Components マツダ技報 No.35(2018)

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