マツダ技報 2018 No.35
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*1~3 ツーリング製作部 *4~6 車体技術部 -106- 19 Technical Development of Press-Forming Stabilization 要 約 長澄 徹侍*1 Tetsuji Nagazumi岡田 又治*4Mataharu Okada安楽 健次*2 Kenji Anraku 浜口 照巳*5 Terumi Hamaguchi 中山 光一*3 Koichi Nakayama坪根 健児*6 Kenji Tsubone「魂動デザイン」実現に向けたプレス成形安定化の技術開発 Express beauty like a living creature. This is the concept behind “KODO design”. Vitality created by the design brings a special bond same as the relationship between horse and rider. The design of new generation expressed this vitality by dynamics of character line or continuous shadow shape. Design in next generation represents distinct Japanese aesthetics in extremely lean and simple form. The surface flow to connect its smoothness with changes in reflection by the car to be lightened expresses vitality more naturally. This report introduces the activity to realize the most optimal method of die manufacturing and press forming process to realize this smooth flow of surface like art. Tool & Die Production Dept. Body Production Engineering Dept. Fig. 1 “KODO Design” マツダ技報 まるで命が宿っているような,美しい表情を放つ,それが「魂動デザイン」。当社はお客様に,このデザインが発する生命感から,愛馬と騎手と同じような特別な絆を感じていただきたいと考えている。新世代デザインは,この生命感をキャラクターラインの抑揚や連続した陰影形状で表現していた。次世代デザインは,日本の美意識を際立たせた,限りなく虚飾を削ぎ落としたシンプルなフォルムである。その滑らかにつながる面の流れは,クルマに光が当たった際のリフレクションの移り変わりが,より自然な生命感を表現しているように感じる。本稿では,このアートともいえる滑らかな面の流れを,プレス成形部品で実現するために,金型の製作とプレス成形工程の最適化を行った取り組みについて紹介する。 Summary 当社は「魂動デザイン」により,見る人の心を揺さぶるような,命あるモノとしたクルマ造りを目指している。「魂動デザイン」を実現するために,開発から生産領域まで強いこだわりを持ち,日々技術開発に取り組んでいる。当社のプレス金型製作部門も,「魂動デザイン」の実現に注力した取り組みを継続的に行っている。「魂動デザイン」は生き物が見せる一瞬の動きや美しさを究極の姿と考え,連続した陰影形状やキャラクターラインにより,その生命感を表現したものである(Fig. 1)。随所にデザイナーの想いが込められており,その想いまでも量産化していくことが,使命ととらえている。 このデザインのこだわりは常に進化を続けており, それに伴いプレス成形の難易度も上がっている。 現状技術でどこまで形状を実現できるか次世代デザインを模したドア金型を製作し,プレス成形したところ,No.35(2018) for “KODO” Design Realization 1. はじめに

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