マツダ技報 2018 No.35
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-108- ) laiream f ytit・Size of bead R ・Clearance between upper die and blank holder ・Surface roughness of die-face (to ii ymmnauqgnnamerehT:M:Cushion pressure (kg) ・Size in R ・Surface roughness ・Draw amount これを考慮し入力信号は,この抵抗値3つを同時に変化させることが可能な因子として,「しわ押さえ面の圧力」とした。このしわ押さえ面の作用の大小に応じて,ブランクホルダー上の「板材の残り量」が変化するため,これを出力特性とした。実際に,この因子間で比例関係があるか,予備実験で確認した結果,成立することが分かった(Fig. 5)。この予備実験の際に,成形中に測定可能な特性を15項目全315データ取得した。これを統計解析ソフト「R」(オープンソース)をベースとする内製ソフトの「グラフ構造化分析」(以下GSA)を用いて,各因子の相互依存関係を構造化した(Fig. 6)。Material flow resistance at die R Fig. 4 Factor about Resistance Value of Die-Face Fig. 5 Pilot Study Result Blank holder Resistance at blank holder ・Cushion pressure ・Clearance at blank holder ・Surface roughness at blank holder Bead draw resistance Actual material gets into than CAE. CAE Input : The remaining quantity of material Material Actual 3.2 バーチャルパラメータ設計による成形条件最適化バーチャルパラメータ設計とは,品質工学の一つの手法である。従来の実機検証やCAE検証と異なり,検証結果を人間(エキスパート)が予想し,この知見を元に仮 Fig. 6 GSA Result in Press Formation Output : Cushion pressure DiePunchマツダ技報 の確率分布構造を推定して,交わりの少ない階層表現に自動的に最適化し,可視化するソフトである。メリットとして膨大なデータから各因子間の関係性が把握でき,相関のある新たな影響因子も見出すことができる。 ①考察により求めた目的機能と同様にGSAのイン・アウトに「しわ押さえ面の圧力」と「板材の残り量」が導き出された。この目的機能を用いた評価の妥当性が立証された。②板材の残り量は,しわ押さえ面の圧力の制御によって変化する。その関係性の途上に製品パネル精度が存在するため,残り量のコントロール精度と製品パネル精度に相関があることが分かった。③関連性の大きい項目について実データを調査した結果,ブランクホルダーの剛性不足が判明した。これは,関係性の近いクッションピン精度にて操作することが可能であり,重要な制御因子を発見することができた。GSAとは確率論(ベイズ推定)とグラフ理論を融合したビッグデータ解析手法の1つである(4)。これは因子間GSAの結果より次の3点が判明した。No.35(2018)

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