マツダ技報 2018 No.35
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■著 者■ -111- 安楽 健次 浜口 照巳 中山 光一 坪根 健児 Present condition Optimized condition Present condition Fig. 12 Hold Cancellation of Wrinkles Fig. 13 Comparison of Reflection Quality Optimized condition No.35(2018) マツダ技報 参考文献 この製品パネルに対しリフレクション品質を確認したものを下記に示す(Fig. 13)。形状精度が向上し,ゼブララインもCADモデルに近づいていることが分かる。結果として,次世代デザインの重点ポイントである形状面の連続性が格段に高まり,リフレクションによる生命感の演出が実現可能となった。 CAD model 本取り組みにより次の3点を達成した。 ① 金型の挙動を制御しうる,影響因子を設定しロバスト性の高い成形条件を算出することができた。結果として,実機で流入量のコントロールが正確に行える条件を見出し製品パネルの寸法精度32%向上が実現できた。 ② ビッグデータ解析手法を因子選定の際に活用する新しいアプローチ方法を提案できた。結果,エキスパートの知見外の新しい制御因子を見出し,本取り組みの重要な因子の1つを選定できた。 ③ バーチャルパラメータ設計を取り入れることで,実機検証を必要としない「試作レス」で成果を出すことができ,量産準備期間の短縮と検証費用85%の削減につながることが分かった。 今後もプレス金型製作部門として金型精度や成形技術の向上にこだわりを持って取り組んでいく。そして,進化し続ける「魂動デザイン」に込められた想いを,更に色濃く具現化し,お客様の人生の輝きにつながるクルマを提供していきたい。 (1) 長澄徹侍ほか:バーチャル設計を用いた金型の形状合わせ技術の向上,第25回品質工学研究発表大会予稿集,pp.194-197(2017) (2) 中原寛海ほか:平面高精度加工技術の確立,第24回品質工学発表大会予稿集,pp.290-293(2016) (3) 吉田弘美:技術大会シリーズプレス加工大全,井水治博,pp.75-76(2015) (4) 日本規格協会:標準化と品質管理Vol.69 No.6, 長澄 徹侍 岡田 又治 pp.16(2016) 5. まとめ

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