マツダ技報 2018 No.35
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*1~6 エンジン性能開発部 Engine Performance Development Dept. -9- Management of cylinder wall temperature is one of the most important topics for further CO2 emission reduction and driving performance improvement. In order to achieve such improvement, more precise control of engine temperature is necessary to maintain suitable condition for higher thermal efficiency combustion. To achieve this goal, we developed new CAE(Computer Aided Engineering) simulation technique which couples the engine heat conduction and the fluid convection calculation, and applied to predict the heat transfer mechanism and its effect of the measures for controlling the temperature by new technologies such as the coolant flow rate control, and the engine heat retension. 高熱効率燃焼の開発に適用する筒内壁温予測技術 山本 亮*1 Ryo Yamamoto丸井 堅太郎*4Kentaro Marui横畑 英明*2 Hideaki Yokohata 和田 栄治*5 Eiji Wada角田 浩行*3 Hiroyuki Tsunoda寿美 眞治*6 Shinji SumiNo.35(2018) マツダ技報 エンジンの筒内壁温管理は非常に重要な開発課題である。走りと環境性を高い次元で両立するためには,高効率燃焼が要求する筒内壁温を,従来よりも詳細な制御により維持することが求められる。これを実現するために,エンジン本体の熱伝導と,冷却水やエンジンルーム内雰囲気への対流熱伝達による放熱を連成した CAE(Computer Aided Engineering)予測技術を開発し,冷却水流量の制御や,キーオフ後のエンジン保温といった新たな放熱コントロール技術による熱流れのメカニズム解明と,その効果の予測に適用した。 今後の更なるCO2排出削減を実現しつつ,世界中のお客様に走る歓びをお届けするためには,内燃機関の燃焼革新による熱効率改善が重要である。ここで,さまざまな環境,乗り方において高効率燃焼を安定して実現し,一方では燃焼の熱負荷に対する部品の信頼性を満足するには,従来以上に詳細な筒内壁温の管理が必要である。そのような状態を実現するには,エンジンの温度状態と走行時の熱負荷に応じて,冷却水や外気への放熱量を調整する必要があり,部品構造と制御の最適化が求められる。本稿では,この課題の解決のために開発したCAEの解析技術について概要を説明する。 要 約 燃焼の革新による今後の更なるCO2排出削減を実現しつつ,世界中のお客様に走る歓びをお届けする上で,の熱疲労による信頼性問題の回避など,さまざまな課題に直結する。また,燃焼改善によるCO2排出削減のためには,エンジン始動から停止まで燃焼の要求する適切な筒内壁温を常時達成することが求められる。運転中のエンジンの壁温を管理するには,燃焼によって生じる熱に対して,エンジン本体内に設けられたウオータージャ ケットを流れる冷却水に,熱伝達によって伝わる熱量を適切に調整することが求められる。 2.1 開発における課題 運転中のエンジン温度管理は,冷間時の機械損失低減やHC,CO排出量の抑制,あるいは,高負荷運転時のシリンダーヘッド,ブロック(以下,エンジン本体と呼ぶ)1. はじめに Summary 2 Simulation Technique of Cylinder Wall Temperature to Apply for High Thermal Efficiency Combustion Development 2. エンジン暖機の重要性と課題

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