マツダ技報 2018 No.35
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-17- Bdno[ ]l itareeccAそこでブレークスルーとして世界初となる気筒休止システム専用の遠心振り子動吸振器(CPA:Centrifugal Pendulum Absorber)を開発した。Fig. 7に示すように従来の動吸振器(DVA:Dynamic Vibration Absorber)は特定の周波数のみを低減(パッシブ動吸振器)するのに対し,CPAはFig. 8に示すように周波数に追従し,全域で低減(アクティブ動吸振器)することが可能である。CPAは式(1)に示すとおり,振り子の腕の長さl,rを調整し,対象の次数に設定することでω(角速度)に依存した周波数追従型動吸振器にすることが可能である。このCPAを従来のロックアップダンパー部に採用することで,最大10dBの駆動系ねじり振動の低減を実現した。 Fig. 4 Vehicle Vibration of Cylinder Deactivation (CAE) Fig. 5 Drivetrain Vibration Characteristics Total vibrationEngine mount routetarget10001200Engine speed [rpm]10dBDrive line routeIntake route14001600Fig. 6 Drivetrain Torsional Mode Fig. 7 Inertance with DVA No.35(2018) 4.1 駆動系振動低減 Fig. 5に示すとおり,気筒休止運転の周波数低下により,駆動系のねじり2次共振周波数が励起される。駆動系ねじり2次共振とはFig. 6に示すようにATのタービン以降の主にギヤ構造によるイナーシャ(I2)が主要なマスとなり,ねじりダンパーの剛性(k1)とドライブシャフトのねじり剛性(k2)が並列バネとなるモードである。この駆動系ねじり2次共振周波数を気筒休止の対象周波数域以下にするためには,I2を増加,k1,k2の低減が考えられる。しかし,これらのイナーシャ増加や剛性低減は,ねじり1次共振周波数も低下させ,加速時などの駆動力伝達における駆動系の応答性を悪化させるため,可能な限り避けなくてはならない。 マツダ技報 18004. 各システムの振動改善技術 ■■■2■■■■・・・■1■

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