マツダ技報 2018 No.35
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(3) 改善構造 (2) 圧力加振による構造加振現象の分析 圧力加振によるボンネット振動のシミュレーション,-19- 簡易モデルと実験検証の結果,圧力加振によりボン ネット振動が励起される現象が確認された。更に,圧力加振位置を変更させた際の解析と実験の整合も取れていることを確認した(Fig. 15)。 これらのメカニズムより,吸気圧力変動による車体振動対策の方針として,①吸気体積加速度入力低減,②吸気口閉空間の拡大,③ボンネット共振の離間,④ボン ネット振動伝達経路遮断が考えられる。①はエンジン出力特性で決定,③④は空間拡大によるパッケージや重量へのインパクトが大きく,②の吸気口圧力吐出空間の拡大が効率的と考えた。 この具体策として,フロントバンパーのアッパーブラケットの形状変更により,吸気圧力変動をバンパー内部の体積が広い部分へ発生させる構造を考案した(Fig. ットへ直接圧力変動を作用させないことで,振動低減が期待できる。試作検証では,約10dBのボンネット振動低減を確認した(Fig. 17)。なお,この構造技術については,今後のモデルより順次展開予定としている。 マツダ技報 10dBの増幅があることを確認した(Fig. 12)。 Fig. 12 Closed Space Acoustic Model Verification Fig. 13 Structure and Acoustic Field Coupled Model Fig. 14 Pressure Excitation Device Inside Engine Room Fig. 15 Bonnet Vibration by Inlet Pressure (CAE/ TEST) 16)。これにより,圧力変動の増幅を抑え,かつボンネFig. 16 Improve Layout of around Inlet Fig. 17 Bonnet Vibration of Cylinder Deactivation No.35(2018) 圧力変動増幅について,ボンネット,バンパーにより形成される空間(3.8L)をおおまかに再現した音響モデルで検証した結果,空間容積が十分広い場合に比べ,約及び実験検証を実施した。ボンネットの構造と,エンジンルーム内音場が連成するモデル(Fig. 13)において,吸気口部に体積加速度入力を与え,ボンネット振動を出力した。また,実験検証においては,ピストン式圧力変動発生装置を吸気口部へセットし,ボンネット振動を計測した(Fig. 14)。

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