A A -24- Fig. 10 Vorticity Distribution around A-pillar and 3.3 混合渦:タイヤ周り 純化したモデルを使って品質工学的な実験計画法を行った。その結果,Aピラー形状のRや段差,ドアミラー形状渦を低減できるようになり(Fig. 10),Aピラー周りの剥離渦・ドアミラー周りの後流渦のエネルギー損失量を低減することができた。 従来の商品群では,タイヤハウスから流出する流れにより混合渦が生じ,エネルギー損失量が大きくなっている。そのため,タイヤハウスから吹き出す流れの抑制を試みたが,ブレーキの冷却性能確保の目的でブレーキローターに必要な風量を当てる必要があり,これ以上のタイヤハウスから吹き出す流れの抑制は難しかった。そこで,タイヤハウスを出入りする流量を分析し検討した結果,ブレーキ冷却風を確保しつつ,混合渦を抑制するためには,ブレーキ冷却風の出口であるホイール部分は圧力差を確保し吹き出す流れを許容しつつ,タイヤハウスの後方では,タイヤハウス内の圧力を下げ,その冷却風をタイヤハウス内に引き込むことを見出した。これにより,ブレーキ冷却風を確保しつつ,タイヤハウス部の混のRや面角度を最適化することによって,剥離渦・後流Fig. 8 Pressure Distribution of A-Pillar Cross-section Fig. 9 Velocity Vector of Door Mirror Rear End 合渦を抑制し,エネルギー損失量を低減することが可能となった(Fig. 11)。 タイヤディフレクター及びスプラッシュシールドカバーとタイヤハウス前方外側に導風ダクトを設定することで,タイヤハウス内外の圧力差を最適化した。その結果,圧力差でタイヤハウスからの流出を抑制するとともに,タイヤハウス後方では流れを引き込み,風向をそろえることで,混合渦を抑制することができ(Fig. 12),タイヤ周りの混合渦のエネルギー損失量を低減することができた。 損失量を最小化するには,車両後端までの剥離渦・混合渦を抑制して風速差を小さくすることに加え,後流渦の規模を小さくするために,途中で剥離を発生させない程度に風向をそろえる必要がある。 そのために,前述の剥離渦・混合渦の抑制に加え,Fig.面側面の風向差を小さくする目的で,アンダーフロアの角度を緩やかに跳ね上げる床下ラインを適用し,後流渦のエネルギー損失量を低減することができた。 マツダ技報 Bad Low Pressure High Bad Velocity magnitude Low High Before Improvement Vorticity High Low Door Mirror Low Pressure High Good Velocity magnitude Low After Improvement Vorticity Low Good High High Fig. 11 Flow Stream Line & Pressure Distribution Fig. 12 Aerodynamics Optimization around Tires 3.4 後流渦:車両後端 車両後端で発生する後流渦を抑制し,運動エネルギー13に示すように,車両後端の面積を小さくしつつ上面下around Tire Air Duct Sec.A-A Splash Shield Sec.A-A Front tire deflector No.35(2018)
元のページ ../index.html#31