マツダ技報 2018 No.35
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岡本 哲 李 曄 -25- 加えて,車両スケールが異なるスコープ間でも,同じ3章で述べた制御技術を各構成要素に適用することで,「剥離渦」「混合渦」「後流渦」を抑制し,車両周りの風流れの運動エネルギー損失量を現行車より14%低減する技術を手にすることができた(Fig. 14)。 考え方の技術で制御することで,全スコープで車両周りの風流れの運動エネルギー損失量を低減し,クラストップレベルの性能を実現する技術を手にすることができた(Fig. 15)。 従来商品群までに培ってきた風流れ制御コンセプトと空気抵抗低減技術を,車両周りの風流れの基本特性として運動エネルギー損失量を定義し,その特性値を制御する考え方で進化させ,次世代商品群の開発に適用した。その結果,クラストップレベルのCd目標を達成する技術を手に入れ,「魂動デザイン」を実現しつつ風流れを制(1) 寺門晋ほか:空気抵抗低減に向けた車両後流構造に関する一考察,自動車技術会春季大会前刷集,No.78-15S,pp.1860-1865 (2015) (2) 外館直樹ほか:自動車周りに発生する縦渦による誘導抵抗の予測,自動車技術会春季大会前刷集,No.22-16,pp.509-514 (2016) (3) 妹尾泰利:流れの運動量・エネルギーと圧力損失②,(4) 農沢隆秀ほか:自動車の空気抵抗を増大させる車体周りの流れ構造:第2報,日本機械学會論文集B編, 75, pp.1807-1813 (2009) (5) 中田章博ほか:新世代Bカー商品群の空気抵抗低減技とそれを実現するための空力開発のコンセプトおよびプロセス, 自動車技術会春季大会前刷集, No.23-15S,pp.583-588 (2015) 御する開発コンセプト,そして空気抵抗低減技術の実効性を確認した。 ターボ機械,第16巻第12号,pp.46-52 (1988) ■著 者■ 伊川 雄希 村上 健太 西田 周平 大平 洋樹 Fig.13 Aerodynamics Optimization around Rear Floor Fig. 14 Kinetic Energy of Flow around Vehicle Fig. 15 Cd Performance No.35(2018) 参考文献 マツダ技報 4. 次世代商品群の空力性能 5. おわりに

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