*2 技術本部 *4 車両実研部 *1,5 シャシー開発部 *3,6,7 技術研究所 -26- 要 約 In order to provide “Driving pleasure“ and “Excellent environmental and safety performance” to all customers, Mazda has been working on weight saving technologies by balancing both better dynamics performance and environmental performance. However, it is difficult to accomplish weight saving by thinning material of the suspension parts which are used under severe environment due to material thickness reduction issue caused by the rust of adjacent welding bead and edge. On the other hand, creating rust resistant parts is connected to the joy of owning vehicles to customers and can be one of the attractive performances. This technology made significant progress of antirust performance possible by improving coated object and electro deposition coating compare to the conventional process. Here is our approach. Chassis Development Dept. Production Engineering Div. Technical Research Center Vehicle Testing & Research Dept. 田中 正顕*1 Masaaki Tanaka赤木 宏行*5 Hiroyuki AkakiTsutomu Shigenagaの経年劣化による疲労強度の低下を抑制し,今後の更なる軽量化を可能とする。 欧州の一部地域を中心に,防錆上厳しい使用環境が存在し,この地域では,お客様の錆に対する感度が非常に高い。それら厳しい環境を模擬した,開発車両の防錆評価結果をFig. 1に示す。黒色塗装が部分的に赤錆びに覆われていることが分かる。 本報では,これらを改善する「次世代足廻り部品向け防錆技術開発」について報告する。 MitsugiFukahori 落岩 克哉*4Katsuya Ochiiwa次世代足廻り部品向け防錆技術開発 マツダ技報 マツダでは,全てのお客様に「走る歓び」と「優れた環境・安全性能」を提供するため,ダイナミクス性能向上と環境性能の両立から,軽量化技術開発に取り組んでいる。しかし,厳しい環境下で使用される足廻りの板金部品は,溶接部近傍やエッジ部の錆による板厚減少の問題があり,薄板化による軽量化が難しい。 一方,錆びにくい部品の実現は,お客様が車を所有する歓びにつながり,魅力性能の一つになると考える。 本技術は,被塗物と電着塗装の改善により,従来工法と比較して,防錆性能を大幅に向上させることを可能とした。この取り組みについて紹介する。 Summary 二酸化炭素排出量の低減,更なる燃費の向上が必要な中,自動車にはより一層の車両重量の軽減が求められている。また,マツダの理想は,安心感と運転する歓びを実現し,お客様に愛されるクルマを提供し続けることを目指している。しかし,足廻り部品は特に環境が厳しく,市場走行後早期に錆が発生することでお客様に部品破損のイメージを想起させる。更に,早いタイミングでの発錆は,効率的な軽量化手段である鋼板の薄板化を阻害する。マツダではこの市場走行後早期に生じる,信頼性に影響しない軽微な錆を「見栄え錆」と定義し,改善に取り組んでいる。この見栄え錆を抑制することで,車を所有し,ともに暮らす歓びに貢献するとともに,腐食起因家永 篤志*2 Atsushi Ienaga重永 勉*6 浅田 照朗*3 Teruaki Asada 深堀 貢*7 No.35(2018)5 Development of New Anti-corrosion Process for Suspension Parts 1. はじめに
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