マツダ技報 2018 No.35
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○ ◎ △ - △ ○ ◎ ○ - -27- Fig. 1 Chassis Condition after Vehicle Corrosion Test (1) 溶接ビード上の発錆要因は,主にビード上の「スラグ」(1)である。スラグは,Si,Mnを主成分としたガラス質の物質で,電気を通さないため電着塗膜が生成しない。また一見,平滑に見えるが,実際はFig. 4のように凹凸,亀裂があり,容易に水が浸入し,母材に到達する。 Water intrusion 腐食を抑制するためには強固な塗膜で全面を覆うこと 自動車の足廻り部品に多く用いられる,加工した鋼板を電着塗装により被覆する構造の場合,防錆性能の弱い部位から発錆する。 鉄は酸化した状態,すなわち錆びた状態で最も安定する性質を持ち,部品の弱点部から酸化鉄に戻ろうとする。これを抑制するには,酸化に必要な水分と酸素を遮断することが最も効果的である。しかし,実際には,使用環境や部品構造などで決まる被水環境が,想定した部品の防錆性能を上回る場合があり,錆が発生する。弱点部位の発錆メカニズムを把握し対策することで,無駄なく防錆性能を向上させることが可能となる。 現行工程を最大限活用しながら,全体の防錆性能を早期に底上げするねらいで,発錆タイミングを遅らせることに寄与度の高い,(1)(2)の改善を重点的に取り組んだ。 越えて,水分・酸素が母材に到達し,鉄の酸化反応が始まる (Fig. 3) 。 で,水や酸素の侵入を防ぐことが理想であるが,足廻り部品は路面からのチッピングなどによる塗膜への傷の発生や,さまざまな腐食環境に曝され被塗物側からの耐食性改善も併せて考えることが必要である。Table 1に示すようにそれぞれの弱点部位において,腐食メカニズムに基づいた耐食性改善を検討する。 Chemical coating Spatter Welding Bead Steel Sheet (3)Oxide film Fig. 2 Schematic of Weak Point in Stamping Parts E-coating film Inhibition of e-coating (1)Slag Water intrusion (2)Edge (1) Slag on welding bead (2) Edge (3) Oxide film (A)Cross section photo Fig. 4 Appearance of Slag on Welding Bead Water intrusion E-coating film Chemical coating Steel Sheet Fig. 3 Corrosion Mechanism Table 1 Measures to Improve Issues Improvement of coated object Priority High:◎ Middle:○ Low:△ (1)Slag Steel Sheet Conversion treatment e-coatingE-coating (B)Water intrusion route No.35(2018) 2.1 現状の分析 Fig. 1の発錆している弱点部位は,(1)溶接ビード上のスラグ,(2)エッジ部,(3)酸化被膜付着部,である。Fig. 2にこれらの模式図を示す。 マツダ技報 2.2 発錆メカニズム 防錆性能は電着塗装により発揮される。塗装層を乗り2. 現状分析

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