マツダ技報 2018 No.35
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-35- 多人数乗用車として,2列目や3列目への乗り降り性能や使い勝手の良さは特に注力した。2列目への大きな荷物の積み下ろしやチャイルドシートの操作のしやすさを確保するため,新型CX-8の後席ドアの最大開度を80°に拡大した。また,3列目への乗り降りのしやすさを向上するため,後席ドアの開口幅を大きくした。一方で,自車のFig. 8 Console Box for 2nd Seat Fig. 9 Luggage Space with Bed Pad(option) Fig. 10 Sub-Trunk Fig. 11 Ingress/Egress of 2nd Row No.35(2018) マツダ技報 お客様のさまざまなシーンやニーズにフレキシブルに応えられる収納性とラゲッジスペースを実現した。 室内収納スペースには,1列目から3列目までそれぞれの使い方に配慮し,全ての乗員にとって使いやすさを徹底的に追求した。1列目には,蓋付きの大型コンソール ボックスを採用し,大切なものを収納できる大きなスペースを実現した。2列目の中央にもシートタイプによっては,セカンドシートコンソールボックスを設定。1列目同様の蓋付きの大きな収納スペースやカップホルダーに加えて,ティッシュボックス等が収納できるスライド式の収納スペースを実現した(Fig. 8)。3列目には,500mLのペットボトルとスマートフォンなどを収納できる小物入れを採用した。 ラゲッジスペースは,最上位SUVとして大きな荷物が積みこめる空間を確保した。また,積み下ろしが楽にできるように,2列目・3列目シートを倒すだけでフラットな荷室空間となるように工夫を加えた。この状態では,荷室長が2.1m以上となり,旅行先で疲れた時などに仮眠できる空間を提供する。 3列目シートを倒したときには,ゴルフバッグが4個積載できる空間である(Fig.9)。 3.3 ダイナミクス性能 新型CX-8は,新世代商品で採用してきたSKYACTIV技術を更に深化させた。提供価値の根幹である「人馬一体」を更に高め,3列シート車でありながらも,自分の意図したとおりにクルマが反応し,まるでクルマが自分のトランクボード下には,307mmの深さをもつサブトランクを設定した。球技用ボールの中で最も大きなバス ケットボールでも楽々収納できる大きな空間であり,普段は使わないものや,隠しておきたいものなどを収納できる(Fig. 10)。 隣に他の車両が駐車している時を想定すると,ドアを少し開けた時の乗り降りのしやすさも重要である。後席ドアトリムの造形やドアパネル形状を最適化した(Fig. 11)。 体の一部になったかのような一体感を生み出す高いダイナミクス性能を目指した。新世代商品の最上位として最も大きな車両諸元をもつ商品であるが,まるで小さなクルマを運転しているかのような一体感を感じていただけると考える。 最上位SUVとして新型CX-8が特に注力したのは,ロン

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