マツダ技報 2018 No.35
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(4)シート性能 また,シートは,「脊椎がS字カーブを描いた姿勢で乗員を座らせる」というマツダの設計思想に基づいたシート構造を採用した (5)安全性 -37- Eliminate Reflective Sound Fig. 16 Insulator on Rear Fender Panel 次に,車室内に入ってきたノイズについては,新しく吸音コンセプト(音を響かせない)による静粛性の向上 (3)静粛性 新型CX-8は,3列シート車として大切な方とともに過ごすクルマの中の時間を大切にしたい。1列目から3列目まで全ての乗員が普段どおりの声量でストレスなく会話がFig. 15 SKYACTIV-CHASSIS(AWD) Damping Material Fig. 17 Insulator on Rear Fender Panel Fig. 18 Sound Absorb Concept Attach SoundInsulating Material Reflective Sound No.35(2018) マツダ技報 にはリバウンドスプリングを採用し,コーナーリング時に車両内側の前輪が浮き上がるロール挙動を抑えて穏やかな挙動とした。これにより,唐突な揺れのない滑らかな乗り心地と,確かな接地感・安心感が高い直進安定性能を実現した(Fig. 15)。 できる上質な空間を実現することを目指した。特に高速走行時で優れた静粛性を感じていただきたい。 まずは,車室外から車室内に入ってくるノイズを抑制した。路面から車体に伝わる振動を小さくするため,サスペンションの共振現象を緻密に制御した。またリア廻りでは,リアフェンダーパネルに制振材を採用し,3列目の乗員に聞こえるノイズの音源となる車体振動を抑制した(Fig. 16)。 また,D.ピラー付近に吸音材を採用し,3列目乗員の耳に入るノイズを抑制した(Fig. 17)。 SKYACTIV-CHASSISとして海外専用車のマツダCX-9の基本構造を使用し,CX-8専用にチューニングするとともに,最新技術を採用した。特に,フロントダンパーを図った。車室内に侵入した音は,直接乗員の耳に入った後,室内を反射して時間差をもって耳に届く。この時間差をもつ音が人間を不快に感じさせると考え,車室内の吸音性を高めすっきりと静かさを感じられる上質な空間を実現した(Fig. 18)。 Direct SoundDirect Sound新型CX-8は,新世代商品の最新かつ最上位として,安全かつ安心して運転できる状態を作り出し,全ての乗員の「走る歓び」を支援している。 マツダの安全思想「MAZDA PROACTIVE SAFETY」は,危険な状態に陥ってから対処するのではなく,危険

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