マツダ技報 2018 No.35
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*1,2 ボデー開発部 -40- 7 要 約 The All-New CX-8 is Mazda’s top level SUV in the domestic market and is a compilation of the products which employ SKYACTIV-BODY. The CX-8 was designed to offer high collision safety, handling stability, and ensuring NVH performance as well as the packaging with the boarding of a large number of occupants, stylish design, and the body size suited to the market. We achieved further improvements in the basic performance by looking more deeply into highly contributed parts for each performance for optimization of the structure as following the concept of SKYACTIV-BODY. Consequently, we realized the cabin that offers comfortable and enjoyable long drive with safety and security to all passengers in all rows. This report introduces how we developed the light/high-rigidity body shell on which production of comfortable cabin space is based. Body Development Dept. 新型CX-8は国内市場におけるマツダの最上位SUVであり,SKYACTIV-BODY(1)を採用した商品群の集大成ともいえる商品である。多人数乗車と,スタイリッシュなデザイン,市場に適したボディーサイズを並立させるパッケージングの実現とともに,高い衝突安全性と操縦安定性,NVH性能を確保することを目指した。SKYACTIV-BODYのコンセプトを踏襲しつつ,各性能の寄与度の高い部位を再度見つめ直し,構造の最適化を図ることで,基本性能の進化を果たした。 その結果,1列目から3列目まで全ての乗員が,安全を感じながら,安心で快適なロングドライブを楽しめる車を実現した。本稿では快適な車内空間を作る上でベースとなる軽量・高剛性ボディーシェル開発について,その実現手段を紹介する。 Summary 新型CX-8は多人数乗用車として,国内市場へ向けて新たな価値を提案するため,開発した商品である。従来の「多人数乗車=ミニバン」の常識から脱却し,走りもデザインも妥協しない,「マツダらしさ」をお客様に十分に感じていただける車を目指した。そのためには,初代CX-5で採用してからこれまで進化を続けてきたSKYACTIV- BODYを更にブラッシュアップさせる必要があった。 構造の「ストレート化」「連続化」と荷重を分散させる「マルチロードパス」というSKYACTIV-BODYの肝のコンセプトを堅持しながら,原理原則に基づいた検証を行うことにより,構造を最適化した。これにより,高性能かつ髙橋 礼倫*1 楢原 隆志*2 Yoshitomo Takahashi Takashi Narahara新型CX-8の軽量・高剛性ボディーシェル マツダ技報 軽量ボディーシェルを実現した。 マツダにとってSKYACTIV-BODYを採用した3列シート車は初めてではない。2016年に発売した2代目CX-9に続き2車種目となる。北米・オーストラリアを中心に販売しているCX-9の全幅1969mm,全長5065mmに対し,CX-8は全幅1840mm,全長4900mmとよりコンパクトなサイズにしている(Fig. 1)。これは日本をはじめとした市場環境に適したボディーサイズを考え抜いた結果である。スタイリッシュなデザイン,CX-9同等の室内空間の確保,衝突安全性能等,商品としての魅力を一切妥協することな No.35(2018)1. はじめに 2. 新型CX-8のボディーサイズ Light-Weight・High-Rigidity Body Structure of New CX-8

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