マツダ技報 2018 No.35
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4.2 リフトゲート開口の構造 Cピラーだけでなく,リフトゲート開口部の断面の連続化や開口下部結合部に高剛性発泡充填材の配置等のCX-5/CX-9で得られた知見も盛り込むことで,リフトゲート開口部のボックス変形も抑制し,リアボディー回りの剛性を高めた(Fig. 7) 。 4.1 Cピラー環状構造 リアボディーのボックス変形を抑制する基本骨格構造の多くはCX-9の思想を踏襲し開発したが,新型CX-8では全幅の縮小や車内部品のレイアウト制限等から全く同じ構造という訳にはいかず,SKYACTIV-BODYの特長であるCピラー環状構造の機能配分を見直し,更に進化をさせる必要があった。後面衝突性能にも寄与しているCピラー下アウターレインフォースメントの二股構造がそれである。ダ-42- Fig. 7 Continuous Structure of Lift Gate Opening 結果として,ボディーのねじり剛性をCX-5比7.0%向上させ,車を意のままに操る楽しさを感じられる車両性能を実現した。 新型CX-8は,1列目から3列目まで全ての乗員が普段どおりの声量でストレスなく会話できる静粛性を目指した。特に,各座席間の静粛性の差を小さくすることに注力した(Fig. 8)。静粛性指標は,CX-9の開発から採用しているFig. 5 Dual Structure of C Pillar Reinforcement Fig. 6 Ring Structure of C Pillar マツダ技報 であっても,マツダのフィロソフィーである「ドライバーの意のままに操れる」人間中心の車を目指し,開発を行った。一般的にボディーが長くなればなるほど,車体のねじれは発生しやすい。ねじれが大きいほど,操舵時にドライバーへ車体挙動のフィードバックが遅れ,ドライバーの「意」を車へ十分に伝えられる応答性がなくなる。CX-5比で230mmホイールベースを長くした新型CX-8は,ドライバーのヒップポイントはCX-5そのままに,Bピラー後ろでストレッチした構造にしたため,入力点のリアタイヤがドライバーからは遠くなり,リアボディーの挙動が伝わりにくくなる。それゆえに,リアボディー構造の剛性向上に注力し,全体として車体の大きさを感じさせないボディー剛性の実現をねらった。 ンパートップからの入力とリアフレームからデュアル・ブレース沿いに入る力を,二股に分かれたアウターレインフォースメントで効果的に受け止め,リアダンパートップの支持剛性を高めた(Fig. 5)。また,アウターレインフォース内にガセットを設定。No.4クロスから続く断面のインナー側からCピラーに向けた荷重伝達をスムーズにした( Fig. 6 ①)。更に,Cピラー上部及びデュアル・ブレース前側の断面内に高剛性発泡充填材を配置し,断面崩れによる荷重の伝達ロスも抑制した(Fig. 6 ②)。以上の3点により,Cピラー環状構造の剛性向上を図った。 No.35(2018)5. NVH性能(静粛性)

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