マツダ技報 2018 No.35
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-43- 上記のうちの0.314kg軽量化した取り組みの事例を紹介する。MDO結果から剛性への寄与度が高い部品を選び,形状による工夫を加えることで剛性を改善し,板厚低減を「高速走行時の静粛性」と「荒れた路面での静粛性」を用いた。ここではボディー領域での貢献事例を2つ紹介する。 車室内へ至るまでの遮音性能向上が必要である。一方で,主要部品をCX-5やCX-9と共有することで,開発ユニーク要素を限定し,開発効率向上にも取り組んだ。これらの両立のために,音源であるエンジンやタイヤに応じて適切な板厚を明確にするとともに,他モデルとの共通部品とCX-8のユニーク部品を適切に配置することで開発要素の最小化を実現した。更に,共通部品を増やすことで投資最小としながらも遮音性を高め,静粛性の目標を達成した(Fig. 9)。 Engine Tire Common Parts to CX-5 Common Parts to CX-9 スペンションや車体骨格を介してキャビンに面したパネルが振動し,音となって放射される。3列目乗員の静粛性を向上させるため,CX-9以降の開発で用いているパネル等価放射パワー(Equivalent Radiated Power)の評価指標(2)を適用し,寄与の高い部位と,その振動現象を分析することで最適構造を実現した。例えば,性能への寄与が高いリアフェンダーパネルに対しては,振動を抑制すべきエリアを詳細に分析し,的確に制振材を付与することで,効果的Fig. 8 Articulation Index of Each Seat Fig. 9 Optimization of Panel Thickness Front Seat 2.8% Good 3% 2nd Seat 3rd Seat New Parts Tire Fig. 10 Optimization of Body Panel 56 Parts Primarily at MDO Fig. 11 MDO Application Damping Material No.35(2018) 5.1 高速走行時の静粛性の向上 高速走行域の「会話のしやすさ」のためには,音源から5.2 3列目乗員の静粛性の向上 荒れた路面でのロードノイズは,タイヤを起振源にサマツダ技報 に音の低減を実現した(Fig. 10)。 新型CX-8の開発では,複数性能(衝突,強度,剛性)間の同時最適化技術(Multi-Disciplinary Design Optimization,以降MDO)(3)を適用し質量改善に取り組んだ。具体的には,各性能目標を満足する指標を制約条件とし,質量最小化を目的関数とするMDOをアッパーボディー開発段階で実施した。性能・生産性から板厚を変更できる可能性がある部品を設計変数として設定し,板厚変化による性能寄与度を部品ごとに明らかにした。まず,剛性に対する寄与度を分析し,形状による剛性改善が可能な範囲で板厚を下げる部品を選定した。その上で衝突性能から強度が要求される部品には,ロードパス上の部品ごとの寄与度を参考に機能量を再配分した。この結果,対象部品は56部品,質量にすると40.5kg/台で実施し,1.14kgの軽量化を実現した(Fig. 11)。 行った。また,後面衝突性能への寄与が高い部品であったことから板厚低減による強度低下対応として,MDO結果6. 複数性能最適化技術の適用

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