い 動作周波数を上げてCPUの処理可能量を増やすことで解決した。これにより,CX-9以外のマツダコネク搭載車においてもミニマムリードタイムでCarPlay・Android Auto機能を搭載できるだけでなく,既にマツダコネクト搭載車を利用いただいている市場のカスタマーにもミニマムコストでCarPlay・Android Auto機能を提供できるようにした。 -57- (1) 安全性対応 USB1+12VDCUSB1USB2USBUSB+12VDCUSBUSBOTGUSBOTGUSB-HUBユニットを新設し,マツダコネクトのヘッドユニットであるコネクティビティーマスター ユニット(CMU)との間の接続方法を見直した。 Apple社のシステム要件により,CarPlay接続時の CMUとiPhoneの間の通信はUSBホストモード(iPhoneがホスト)に切り替わることが要求されている。従来のUSB-HUBユニットはCMUをホストとする接続モードにしか対応していなかったため,2つあるUSBポートのうちのポート1をホストモード対応に変更して,ポート2とナビ地図SDカードスロットの系統から分離した別系統としてUSB-HUBユニットの内部回路を新設計した(Fig. 3)。これによりCarPlayモードはポート1でのみ接続可能となるが,CarPlay接続中であっても,同時にポート2に接続した他のUSBデバイスを利用することを可能にしている。 CMUは,ソフトウエアの変更のみでCarPlay・Android Auto機能の追加に対応した。新しい機能を追加するため,CPUやメモリーに対する負荷が増大する。この課題は,同時に使用しない機能を排他で起動することでメモリー使用量を削減したり,CPUのFig. 3 USB-HUB Unit for CarPlay Fig. 2 Android Auto Screen No.35(2018) 2.2 Android Autoとは Android Autoは,米国Google社によって開発された,AndroidTMをOSとして搭載するスマートフォンを車載インフォテイメント機器と連携させるシステムである。AndroidスマートフォンをUSBケーブルで車両のUSBポートに接続して使用する。AndroidスマートフォンがAndroid Autoモードで接続されると,マツダコネクトのディスプレーにGoogle Nowのようなカード型インターフェース画面が表示され(Fig. 2),音楽プレーヤー・Google MapsTM・SMS・電話などさまざまなアプリケーションをCarPlayと同様に,マツダコネクトの操作デバイスを使って,走行中でも安全に利用できる。 2.3 システム変更点 今回,CarPlay機能を搭載するために,マツダコネクトのシステム構成を一部変更した。従来のシステム構成については,マツダ技報No.31(2013)に掲載した「マツダコネクトの開発(1)」を参照いただきたい。 マツダ技報 2.4 開発注力ポイント マツダコネクトは,運転中でも安全に利用できることを最優先にしながらも,コネクティビティーによる利便性を享受できるようにHMIを構成している。そのため,ディスプレーに表示されたインターフェースの操作は,走行中はタッチパネルでの操作ができないようになっており,コマンダーのみで操作できる。CarPlayモードにおいても,コマンダーのみで操作できるようにApple社と協業を行った。CarPlayモードの画面描画や操作入力処理はiPhoneによって制御されるため,インターフェース画面上のカーソルの動き方など,コマンダーで操作するために最適な仕様をマツダからApple社に提案して協議を重ね,Apple社の仕様にマツダの要望を追加いただくことで実現した。 Android Autoでもコマンダーのみで操作できるようにGoogle社と協業を行った。Android Autoはタッチパネルを優先的に使用するインターフェース画面を採用しているため,一部にタッチパネルでしか操作できないボタンがある。走行中にタッチパネルが使えないマツダコネクトでは,走行中にこれらの操作ができない。そのため,接続モードをコマンダーのみに変更とすることで,走行中でも安全に全ての操作ができるようにした。 (2) ユーザーインターフェース(UI) ユーザーによってはCarPlayモード・Android AutoモードのコンテンツとマツダコネクトのナビSDCardCMUUSB2USB HUBSDCardCurrentCMUUSBHUB(Replace)New
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