マツダ技報 2018 No.35
65/149

3.2 機能概要 マツダコネクトで採用した機能を紹介する(Table (1)Traffic Plus (2)Weather Radar -58- Fig. 4 Home Screen with CarPlay Connected (CarPlay Icon Is Being Displayed on Top of Screen) Table 1 SiriusXM Data Service Function List Traffic Travel Link Audio Traffic Plus Weather Radar Weather Forecast Weather Alerts Fuel Prices Sports Parking Album Art Channel Graphics Sports-Flash™ Traffic & Weather Now™ Fig. 5 Traffic Plus Screen マツダ技報 ゲーションシステム(ナビ)などの既存コンテンツを切り替えながら使用するユースケースも想定できるため,そのようなユーザーの利便性を考慮し,容易に画面遷移できるUIを開発した。例えば,マツダコネクトの画面からCarPlayモードの画面に切り替える場合には,「ホーム画面上のCarPlayアイコンを選択する」,「アプリケーションメニューからCarPlayを選択する」,「コマンダーのホームボタンを長押しする」といった多くの切り替え方法があり,ユーザーは場合によって使いやすい方法を選んで利用することができる。このように,ユーザーが期待する多くの手段に対応しておくことで,多くの方にとって違和感なく新しいモードを利用いただくことができる(Fig. 4)。 また,CarPlayのミュージックアプリを再生中にコマンダーのエンターテイメントボタンを押すとCarPlayの“Now Playing”画面を一発表示したり,CarPlayの“マップ”アプリで経路誘導中にコマンダーのナビボタンを押すとCarPlayの“マップ”画面を一発表示したりするように設計した。これもユーザーの期待動作と実際の動作を合わせ,違和感なく利用できるようにした例である。 更に,マツダコネクトのナビとCarPlayの“マップ”アプリで別々のルートガイダンスが流れてドライバーが混乱することを避けるため,一方がルートガイダンス中にもう一方のルートを新たに設定すると,先のルートガイダンスを自動でキャンセルすることで,ガイダンスが重複しないように設計した。また,CarPlay・Android Auto接続中に使用できる音声認識機能は,CarPlay・Android Autoそれぞれの音声認識のみとし,マツダコネクトの音声認識は起動しないように制限した。これは既存機能と追加した機能のバッティングによってユーザーに違和感を持たれないようにするためである。 3.1 SiriusXMデータサービスとは 米国の衛星放送配信会社であるSiriusXMが2004年より音楽放送に加え,さまざまな最新情報を契約ユーザーに提供するサービスである。車載ナビとの連携により渋滞情報や道路の規制情報(Traffic)・リアルタイムのガソリン価格情報や駐車場の満空情報など(Travel Link®)が表示できる。これらのサービスは,アメリカ及びカナダの全都市で提供されている。 マツダコネクトはこのサービスを受信し,道路状況に合わせたナビルート設定や,地点情報を表示するだけでなく,ナビの目的地に設定したり,ハンズフリーシステムを用いて電話をかけたりなどの連携機能も提供した。なお,北米にはFM放送のHDラジオにも同様のサービスが存在するが,SiriusXMは衛星放送であり,北米全土のより広い地域で受信可能である。加えて,既に音楽サービスを契約しているお客様は,わずかな追加費用でこのサービスを受けられるメリットがあるため,SiriusXMのサービスを採用した。 1)。 ナビの地図上に渋滞情報を表示することに加えて,道路工事等で通行できない場所や期間を文字情報で ユーザーに通知する(Fig. 5)。 天気図・雨雲の動きやハリケーン等の位置をリアルNo.35(2018)3. SiriusXMデータサービス

元のページ  ../index.html#65

このブックを見る