-60- マツダ技報参考文献 御機能をCMUに集約した。 (2)機能選択とUI設計に危険である。これは,走行中使用の安全性を最優先するマツダコネクトの方針に反することになる。そこで,弊社北米開発拠点と共同で「ユーザーに本当に必要な情報は何か?」を検討した結果,最寄りの映画館と上映時間情報を提供するMovieと株価情報を提供するStockは運転中のユーザーには不要と判断して採用を見送った。また,採用したサービスについても,できる限り機能を簡素化することで安全性に配慮した。ユーザーの使い勝手を向上するためのUIの最適化を行った。例として,Fuel Pricesではガソリンスタンドのリストを油種でソートできるようにしたり,Fuel PricesやParkingから提供される地点情報をナビの目的地として設定する場面では,サービスによらず同一操作となるようにUIを統一化したりした。また,Weather Forecastでの天気表示方法やWeather Radarでの雨雲の表示方法を,TV放送での表示方法を参考にユーザーに馴染みのあるものとした。また,Weather Forecastが提供する天気情報は全部で40種類あるが,画面表示する上では細分化され過ぎているため,弊社北米開発拠点や実研部門と必要性を検討し,23種類に統合した上で,画面表示するアイコンの意匠を社内のグラフィックデザイナーが新たにデザインして分かりやすく最適化した。(3)ナビ情報の進化これまでは,過去統計交通渋滞情報を利用した経路設定しか行っていなかったが,今回リアルタイム交通情報を利用することにより,最適な経路案内とより正確な到着予測時刻を提供できるようになった。また,過去北米向けのナビシステムで採用していた渋滞情報と比較して,より高精細なTrafficのデータを活用することで,実態に合った渋滞情報表示と,より最適なルート案内を実現した。例えば,これまではある道路区間の一部が渋滞であれば,その区間は全て渋滞と表示していたが,その区間を細分化し精度の高い情報を提供可能になった。また,工事情報や事故情報もTrafficから受信することにより,新たに活用するようにした。前章までに説明した新機能をマツダコネクトの安全なUI上で利用できるようになった。ユーザーが運転中でも安全性を損なうことなく,CarPlay・AndroidAutoやSiriusXMが提供する多彩なコンテンツを安心SiriusXMが提供するサービスの全てを採用した場合,扱う情報量が膨大となり,UIが複雑になることで,より多くの操作や画面への注視が必要となり非常して楽しむことができ,それによりドライブする歓びが広がり,クルマにもっと乗りたくなっていただくことができるように心を込めて開発した。マツダコネクトは,これからも進化を続け,世界中のマツダユーザーに「つながる楽しみ」と「走る歓び」を提供していく。これからも期待していただきたい。技報,No.31,pp.24-28(2013)■著 者■松本 成司水津浩司(1) 山本栄一ほか:マツダコネクトの開発,マツダ久保﨑 淳一佐藤陽平No.35(2018)4.おわりに
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