マツダ技報 2018 No.35
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-65- 日本ナショナルインスツルメンツ(株)様日本ノーベル(株)様 (株)ロジカルプロダクト様 (株)松浦電弘社様 橘高 徳昭Fig. 16 Medium Size System Image No.35(2018) 4.3 中型システムの構築 小型化ニーズをベースに小型ロボットを追加し以下機能を有した中型システムを構築し複数台導入した(Fig. 16 設置面積6㎡)。 5.1 評価工数の削減効果 従来は実車走行とベンチテスト主体の評価手法であっ5.2 評価網羅性の効果 実車走行ベースの評価ではOK・NGの評価になりがちであり,電源電圧やノイズに対する動作の余裕度を検証5.3 サプライヤー様との共通化効果 本システム運用によって評価工数削減や評価網羅性のマツダ技報参考文献①画像処理による自動判定システム②音声合成システム③GPSシミュレートシステム ④仮想電装品エミュレートシステム⑤電源変動エミュレートシステムESPER ⑥小型ロボットによるカーナビ評価システムたが,本評価システムの特徴であるテストシナリオの自動作成・ロボットによる昼夜の自動運転・画像処理によるOK・NGの自動判断等によって実車評価は最終確認のみとなり,結果的に90%の工数削減を図ることができた。 することも困難となるため,発生頻度の低い不具合現象は表に現れない恐れがある。本システムを活用し条件を厳しめに設定することで,これまでは発生頻度が低く見逃してしまう問題を洗い出すことができるようになるとともに,余裕度の数値化も可能となった。向上効果があることを部品メーカー様にお伝えした結果,本システムを導入されることとなった。評価設備をサプライヤー様と共通化することで以下の効果が生まれた。①問題発生時の詳細条件が容易に共有化でき,早期問題解決につながった。(1)電装品ロバスト性開発システム「ESPER」の紹介,(2)マツダがNIのHILSを利用して電装品用の自動評価環境を構築―試験に伴う操作や結果判定にかかる工数(3)あらゆる電装品を協調動作させて機能とロバスト性を自動評価,マツダがNIのHILシステムで実現,日本ナショナルインスツルメンツ,ホームページ,ユ ーザー事例,http://japan.ni.com/usersolutions/maz da ②発生頻度の少ない問題の再現試験時間の大幅な短縮③サプライヤー様での試験網羅性が向上することで,試作品の完成度が向上した。車載電装品の進化・複雑化とそれに伴う開発工数増大の予測からの解決策として構築した本システムは,導入と活用により大きな効果を生み出した。しかしながらこれまで以上に急速な電装品の進化が予想されるため,現状のシステムに慢心することなく,更なる機能アップを図ることにより,単なる評価ツールの域を超え設計段階でも使用可能な包括的なツールへと進化させていき,ロバスト性の高い商品づくりに貢献したいと考える。最後に,(株)マックシステムズ様 を初め,本システムの開発にご協力賜りました方々に心より感謝申し上げます。マツダ技報,No.25,pp.106-111 (2007)を大幅に削減,日本ナショナルインスツルメンツ,·ームページケーススタディ,http://sine.ni.com/cs/app/doc/p/id/cs-17634■著者■岡田 英之谷口 雅也5.システム導入効果6.おわりに

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