マツダ技報 2018 No.35
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*5 エンジン設計部 *1~4 エンジン性能開発部 *6 品質技術部 -66- 12 森 恒寛*1 Tsunehiro Mori長門 清則*4 Kiyonori NagatoEngine Design Engineering Dept. Naotoshi Shirahashi 平田 耕一*5 Koichi Hirata 白橋 尚俊*2 松原 武史*3 Takeshi Matsubara奥田 良直*6 Yoshinao Okuda要 約 2012年にSKYACTIV-D導入以降,NVに関してノック音改善を中心とした数々の技術を織り込んできた。新型SKYACTIV-D 2.2を搭載した2018年アテンザ,及びCX-5の商品改良モデルでは,新コンセプトの燃焼技術,進化した主運動系減衰技術,及び車外アイドリング時のインジェクターノイズ低減技術を織り込んだ。これらによりディーゼルエンジン(DE)音のイメージを払拭する静粛で優れたエンジン音を実現したので,これらの技術を紹介する。 Summary 新型SKYACTIV-D 2.2におけるノック音を中心とした We’ve been improving SKYACTIV-D drastically with a lot of new technologies in terms of drivability, fuel efficiency, emission, and NVH since the first-generation CX-5 launched in 2012. The novel concept of combustion for NVH has been applied for new SKYACTIV-D 2.2 since CX-8 launched in 2017. Furthermore, the brand-new technologies are applied for the one equipped ATENZA and CX-5 launched in 2018 with, consisting of advanced Natural Sound Smoother and the new method reducing idling noise. In this paper, we introduce these innovative technologies which realize the engine sound expressing “driving pleasure”. 2012年モデルのCX-5にSKYACTIV-Dを初めて導入し,2018年モデルのアテンザ,CX-5の商品改良車(新型SKYACTIV-D 2.2を搭載)では更にこれを進化させ, ノック音をほぼ聞こえないレベルに低減するとともに,Engine Performance Development Dept. Quality Engineering Dept. してきた。これらを実現するための技術である「急速多段燃焼」「スプリットNSS」,及びアイドル時の「イン ジェクターノイズ制御」について説明する。 2. ディーゼルノック音 ノック音は燃焼が起因となって発生する間欠的な変動音で,この低減には①起振力となる燃焼加振力を噴射制御で低減する手法と,②伝達系であるエンジン構造の伝達放射特性を低減する手法がある。一般的に①燃焼による低減は燃費やエミッションを悪化させ,②伝達放射特性の向上は剛性アップや遮音材追加となり,重量やコストアップにつながる。ねらいのノック音の達成には,これらの相反する機能特性と高次元で両立する技術,いわゆる“ブレークスルー技術”が必要である。 マツダ技報 その後もディーゼル特有のノック音に着目した技術革新を進めてきた。2017年の新型CX-5では,燃焼の爆発力を周波数に対してコントロールする“ナチュラルサウンド周波数コントロール制御”や,ピストン・コンロッドの伸縮モードを抑える“ナチュラルサウンドスムーザー(NSS)”を織り込んだ。これによりノック音と走り,燃費との両立を実現させ,多くの方から高い評価をいただいた。 アクセルに応じたエンジン音になるよう開発を進めてきた。加えて,アイドル時の車外DEノイズの低減も検討 No.35(2018)NVの更なる進化技術 Advanced Technologies for Noise-Vibration on New SKYACTIV-D 2.2 1. はじめに

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