マツダ技報 2018 No.35
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Base InjectionPattern New SKYACTIV-D2.2 InjectionPattern <1500rpm/Pe500kPa Same torque conditions>Partial loadFull load (Pe500kPa load)Target-67- gedged[ yaeDno[ yaeDnoitiitingnggedear esaeer t/J[esaeer taehaehged/J[esaeer tged/J[eaeharar ] I]Ill ]tll]et l]t0 3.2 ノック音と関連性能を両立する理想燃焼 これまでの取り組みで改善は進んだが,「走る歓び」 3.3 急速多段燃焼技術による理想燃焼の実現 着火遅れ期間の短縮には,局所的にリッチ混合気をつ 一方で,着火遅れ期間の短縮は音低減には有効である-20-10Fig. 1 Heart Release Rate Target Main combustionPre combustionCrankAngle[deg]10203040After combustion10J/deg50InjectionPre combustion5degFig. 3 Comparison of Injection Pattern Fig. 2 Comparison of Ignition Delay TDCCrankAngleTDCTDCCrankAnglePartial loadFull loadslope of Multi-InjectonMain combustion0.5degTDCTDCFull loadNo.35(2018) 3.1 燃焼加振力に関するこれまでの取り組み ノック音は燃焼圧力が起振力で,これを周波数ごとのエネルギーで表したCylinder Pressure Level(CPL)が燃焼の機能特性となる。CPLは熱発生率波形の“最大傾き”や“高さレベル”と相関が強く,これらが大きいとCPLが高くなりノック音は大きくなる。 マツダ技報 最近のディーゼルエンジンは,1サイクル中にプリ燃焼,メイン燃焼,アフター燃焼の3つの燃焼で構成されることが多い。これらの噴射タイミングや噴射圧を調整して 熱発生率波形をコントロールし,CPLレベルを低減させる(1)。2017年の新型CX-5では,これらに加え“ナチュラルサウンド周波数コントロール制御”によりCPLの特定周波数域に谷を作り,そこに構造系共振を合わせることで効果的にノック音を低減する技術を導入した(2)。 の更なる進化には,もう一歩踏み込んでアクセル開度に応じたリニアなエンジン音の実現が必要である。 新型SKYACTIV-D 2.2では新たな燃焼制御技術の実現に取り組んだ。まずは,ねらいとする熱発生率波形を求めるために,熱発生率の傾きが最小となる波形をシミュレーションで作成し,その特性を維持しながら効率よくトルクを発生させるため,上死点付近から燃焼させるコンセプチャルな燃焼波形を描いた。これを目標波形として,従来燃焼,全負荷燃焼波形の比較をFig. 1に示す。図中,全負荷時の波形は部分負荷と同一トルクになるようにシミュレーションで発生熱量をあわせたものである。 従来燃焼は三山の形状でねらいの波形と大きく異なっているが,全負荷の熱発生率波形はねらいの一山波形に近いことが分かる。これまで全負荷燃焼は発生する熱量が大きいためにノック音の加振力が大きくなると考えられていたが,実運転ではノック音が問題になることは なかった。これは,熱発生率波形の傾きが部分負荷の燃焼より緩やかで,有利な燃え方になっているためである。そこで詳細に燃焼特性の違いを調べると,プリ燃焼やメイン燃焼の着火遅れ期間が大幅に短いことが分かった(Fig. 2)。 Partial load着火遅れ期間とは,燃料を噴射し燃焼が始まるまでの期間で,これが長いほど燃焼室内に未燃の燃料が混合気として蓄積される。その結果,燃焼開始時に急激な圧力上昇が起こり,熱発生率波形の傾きが大きくなることで音が大きくなる。ねらいの熱発生率波形の実現には,この着火遅れ期間のコントロールが重要であり,燃料の噴射制御を活用して着火遅れ期間短縮に取り組んだ。 くって着火性を改善できる多段噴射が有効であると考えた。この多段噴射を使って着火遅れをコントロールし,複数の燃焼を連続させる“急速多段燃焼”を考案した。これにより熱発生率波形を緩やかな傾きにし,かつ複数の燃焼を連続させ一山の形にする。ただしこの燃焼の実現には噴射間隔を短縮し,段階的に噴射量を増量する噴射制御が必要であり,従来の噴射システムでは限界が あった。 そこで内部の燃料回路の最適化によって大幅な高応答化を実現した次世代型インジェクターを採用し,ねらいの噴射パターンを実現した(Fig. 3)。 が,燃料と空気が混ざる時間が少なくなることで スモークが不利になる。これに対し,燃料の噴射圧力を従来モデルに比べ20%~30%高め,噴霧の微粒化とペネ3. 急速多段燃焼による加振力低減

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