マツダ技報 2018 No.35
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数ω(=2π×周波数)の振動は式(1)のように書くことができ,振動の大きさは噴射間隔T1,T2のみに依存することが分かる。(αはT1,T2で決まる位相) -71- Bd( gnnonofo i)dji0i dI)i0ili rotcenitarbVABd( f eds tnorf-racroesongnil(1)白橋尚俊ほか:SKYACTIV-D ディーゼルノック音の低減技術,マツダ技報 第34号(2017), 新型CX-5特集 No6. pp.29-34(2)冬頭孝之ほか:二段着火予混合燃焼を活用した高効率クリーンディーゼル燃焼(第3報)2nd噴射による·ミッション・騒音低減機構の解明,自動車技術会秋季大会前刷集,No.113-13(2013)(3)Y.Kanda,T.Mori:Diesel Combustion Noise (4)依田稔之:燃料噴射制御によるディーゼルエンジン10dB300010dB3000Reduction by Controlling Piston Vibration,SAE, 2015-01-1667森 恒寛(a)BaseWith optimised intervals1000(b)1000Fig. 20 Effect of Optimizing Intervals of Injections 2000Frequency (Hz)2000Frequency (Hz)No.35(2018) Vibration improvedIdlingnoise improvedマツダ技報参考文献ンが悪化する懸念があったため,他性能に弊害がなくINJノイズのみ低減できるような噴射間隔を0.1ミリ秒ごとに選定していった。その結果,Fig. 20(a),(b)に示すように,想定どおりINJ振動を低減でき,弊害なくアイドル車外音のレベルを低減することができた。新型SKYACTIV-D 2.2では,この技術を織り込むことで,より静かなアイドル車外音を実現した。今回,新型SKYACTIV-D 2.2に織り込んだKeyとなる技術を紹介した。これらの技術によりディーゼルエンジンのノック音を大幅に改善し,車外のインジェクターノイズも気にならないレベルに低減した。これまではゆっくりの加速時など,走りに対して音レベルの上昇がやや目立つ傾向にあった。今回の技術によりアクセル操作や走りに対して,よりリニアな音レベルを実現した。これINJ共振周波数である800Hzと1500Hzに相当するωの値をそれぞれ式(1)に代入し,それぞれの振動がともに打ち消されるような噴射間隔T1,T2を机上で検討した。噴射間隔を変えると燃焼が変化し,ノック音やエミッショにより運転者のアクセル操作に対するパフォーマンスフィールをエンジン音という観点で向上させ,「走る歓び」に貢献できたと考えている。今後はサウンドとしての音造りとSKYACTIV-Dの走りを更にマッチさせることで,最高の「走る歓び」を実現したいと強く願っている。の燃焼音低減,デンソーテクニカルレビュー,Vol.15, pp.110-114 (2010) ■著者■長門 清則白橋 尚俊平田 耕一松原 武史奥田良直6.おわりにsin■■■sin■■■■■■■■sin■■■■■■■■■■■■■■■1■cos■■■■cos■■■■■■■■■■■■sin■■■■sin■■■■■■■■■■sin■■■■■■ (1)

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