マツダ技報 2018 No.35
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モデルは車両,エンジン,SCR,制御の各ユニットで 式(1),(2),(3)の他に,NH3の吸着・脱離,NH3及びNOとTail NOXのモデル算出結果をFig. 5に示す。 -74- Table 2 Experiments on Synthetic Gas Test Bench 4.2 機能目標検討 RDEにおいては,テストサイクル全体とUrban(市街欧州の実路走行条件,加速度の大きさ,環境条件において,各因子を考慮し,高性能なSCRシステムの仕様を決定しなければならない。新型エンジンの開発では,この際の重要な影響因子への要求を,機能目標として管理しながらシステムの仕様決定を行うため,Fig. 4に示すモデル環境を構築した。 構成される。エンジンユニットは,部品設計の要件検討が可能なように,1Dモデル(GT-POWER)にてモデル化し,排ガス温度,流量及びNO2/NOX比率を算出する。た統計モデルで計算される。これら計算結果をSCRモデルに受け渡すことで,テールパイプ NOX(以下Tail ロジックにEGRや過給制御の最新技術を反映したものを構築し,エンジンユニットと連成した。これにより,部品・制御一体での機能目標の検討が可能となっている。 地)セクション単独のそれぞれにNOX排出規制値が適用される。SCRの低温NOX浄化性能に対しては,エンジンからSCR入口までの熱損失と,SCR流入ガスのNO2/NOX比率の影響が大きいため,その影響をモデルにて検証し,性能目標であるUrbanセクションでのNOX浄化率62%に対して,各ハードウエアでの実現性を勘案しながら, 排気ガスの熱損失低減,SCR流入ガスのNO2/NOX比率のそれぞれに,機能目標値をモデル上で設定した。Raw NOX横軸のSeverityはWLTCのCO2値を基準に算出される無次元数で,走行エネルギーに相当する。このSeverity値が±25%以内に収まることがRDEのテスト要件となっている。排ガスの熱損失低減によりSCRシステムが早期活性し,低Severityから高Severityに至るまで低NOXを実現できる機能目標を立案した。 前節で述べたMBDを実現するために構築したSCRモデルについて紹介する。MBDによる開発構想段階でのNOX機能配分と機能目標値の検討を主目的とし,Fig. 3で示した機能を表現できることを前提に考えて,市販ツールモデルでは,ガスの移流,化学反応,成分の拡散を考慮している。化学反応は下記に示すNOX還元反応の総括の酸化を考慮し,当初は約10式を定義していたが,以降記載する検討を進める中で約30式まで拡張した。 まず,SCR触媒の詳細な特性を把握するために,マツダ技報 (1) Fig. 4 Model Based Development Image Raw NOX量については実験計画法(DoE)により構築しNOX)が見積もられる。制御ユニットは,実車と同等のFig. 5 Simulation of Urban NOX with Function Target 4.3 SCRモデル (1) モデルの概要 (GT-POWER)をベースとした1Dモデルを開発した。 4NH3 + 4NO + O2 → 4N2 + 6H2O 2NH3 + NO + NO2 → 2N2 + 3H2O (2) 8NH3 + 6NO2 → 7N2 + 12H2O (3) (2) モデル同定と精度検証 Table 2に示す単体性能評価を,Synthetic Gas Test Benchにて実施した。 No.35(2018)

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