マツダ技報 2018 No.35
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-77- Fig. 13 Pore Size of Zeolite for SCR Catalyst Fig. 14 HC Influence to NOX Conversion Fig. 15 Result of Actual Vehicle in RDE Several Cycles No.35(2018) マツダ技報参考文献触媒Aと触媒Bにて,HC吸着時のNOX浄化率への影響を確認した結果をFig. 14に示す。 触媒Aは,SCRにHCを8g供給しても,NOX浄化率に影響がないのに対して,触媒BではHCを8g供給した場合,約半分までNOX浄化率が低下する。またNH3吸着量が少ない段階でNOX浄化率への影響が現れ,NH3の吸着点をHCがふさいでいることが示唆される。 以上の性能特性から,触媒Aを選定した。 開発車両でのNOX検証結果をFig. 15に示す。走行エネルギーに相当するSeverityに応じて,Raw NOXが増加するが,NOX規制値を超えるよりも低いSeverityから,SCRシステムの有効性が発揮されはじめ,高Severityに至るまでTail NOXを抑制することができている。 適用したRDE規制値に対して,Severityを考慮してもNOX後処理と燃焼との組み合わせにより,ロバストな システムを構築した。(1)森永ほか:SKYACTIV-D エンジンの紹介,マツダ技(2)山谷ほか:クリーンディーゼルエンジン新型SKYACTIV-D 2.2の開発,マツダ技報,No.34,pp.133-138(2017)(3)James Girard et al. : Influence of Hydrocarbon (4)Isabella Nova : Urea-SCR Technology for deNOXAfter Treatment of Diesel Exhaust,Fundamental and Applied Catalysis, Springer, New York,2014, doi:10.1007/978-1-4899-8071-7うモデルベース開発プロセスを本格的に導入した。効率的な開発はもちろんのこと,複雑なシステムの仕様決定に,MBDはますます有効であることを立証できた。 報,No.30,pp.9-13 (2012)■著者■中野 洋平勝田 真斗SKYACTIV-Dコンセプトを更に進化させ,エンジンポテンシャルを最大限生かしたエミッションシステムを実現できた。また本開発プロセスでは,エンジンのRawNOXと後処理の機能配分,更にSCRシステム内でのNOX還元反応の機能配分の構想を描き,それを実現するといStorage on the Durability of SCR Catalysts,SAETechnical Paper (2008), 2008-01-0767上杉 康範藤井 皓平荒木 崇至佐藤 義志6.RDE NOx結果7.おわりに

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