マツダ技報 2018 No.35
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) ) ← pm usn oC -79- it lmN(euqroTPower(kWretteB)hWk/g(noeuF ・スポーツカーにふさわしい高回転まで気持ちの良 2.2 出力性能 SKYACTIV-G 1.5のロードスターで好評の高回転まで加速が続いていくような伸び感の実現をねらい,最高回転数を7500rpmとした(2)。トップエンドまでスムーズに加速の伸びを感じるために,最大トルクからヤクドが一定 2.4 サウンド,レスポンス トルク特性の改良に加えて,サウンドでよりドライビ 0 い理想の伸び感 ・日常でより気持ち良く加速できる軽快感 ・新開発エンジンにふさわしい環境性能 ・ドライバーの意図にリニアに応答するレスポンスとサウンド 以上となり高回転で落ち込みの少ないなだらかなトルク特性を目標とした(3)。そのために6000rpmでは旧型比5%トルクを改善し最高出力は7000rpmで135kWとした。 高回転化による伸び感だけではなく,日常の気持ち良さも高めるために低中速トルクの改善も図った。市街地走行などにおいて使用頻度の高い1500rpmで7%のトルクを改善し,最大トルクは205Nmに改善した。2000rpmから7000rpmまで最大トルクの90%以上を発揮する,どの運転シーンでアクセルを踏んでも楽しめるワイドでトルクフルな特性を作りこんだ(Fig. 2)。 高回転域のトルクは吸入空気量の増加とポンピングロ25020015010010002000300040005000600070008000Enginespeed(rpm)Fig. 2 Engine Performance NewPrevious100200300400500600700800900100011001501301109070EngineRoad(kPa)Fig. 3 Fuel Consumption NewPreviousNo.35(2018) 2.1 コンセプト 2016年12月から日本国内に導入したロードスターRFには,優れた環境性能と走行性能を高次元でバランスさ せたSKYACTIV-G 2.0をFR搭載しトルクフルで余裕のある走りを実現した(以下旧型)(1)。新たに搭載するエンジンとして,「走る歓び」の更なる進化のために,以下のコンセプトの実現に重点を置き開発に取り組んだ。 マツダ技報 スの低減に加え,燃焼改善と機械抵抗の低減により実現した。具体的には,吸気量を増加するために,スロットル,インテークマニフォールド,吸気ポートの通気抵抗を低減し吸気バルブの径を拡大した。ポンピングロス低減には,排気の開弁角と排気バルブを拡大し,排気ポートとエキゾーストマニフォールド,メインサイレンサーの排気抵抗を低減した。機械抵抗は,主運動系を改良し低減した。燃焼改善は,吸排気ポートと燃焼室の改良と燃料噴射系の変更によって実現した。低中速域は燃焼改善の効果によって耐ノッキング性を大幅に高めることでトルクを向上した。 も改善した。エンジンを高回転型にするとバルブスプリングの張力増加など機械抵抗が増加し燃費悪化を招く。主運動系の機械抵抗の低減と燃焼改善技術によって,軽負荷から高負荷まで全域で燃費率を改善し,2000rpmでは最大5%の改善を実現した(Fig. 3)。 ングを楽しめるようにした。トップエンドまで加速するようなシーンではエンジン回転にリンクしたリニアにサウンドとした。日常においてはアクセル操作に応じた フィードバックが感じられるように作り込み,車との一体感を高めた。 サウンド作りのために,ノイズ低減も行った。シリンダーヘッドの剛性改善と主運動系を軽量化で高回転域のエンジン振動を低減した。また,クランクシャフトの回転振動が駆動系に伝わりマニュアルトランスミッションから発生するノイズを低減するために,デュアルマスフライホイールを新開発した。メカニカルノイズに加え,排気音に含まれるノイズ成分も抑え,聞かせたい音をリニアに表現できるサイレンサーを新開発した。 2.3 燃費性能 パフォーマンスフィールの向上だけではなく環境性能2. コンセプトと性能

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