マツダ技報 2018 No.35
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Pulse Jet Valve Double Pulse Laser -85- φ89 mm x 95 mm 14.2 : 1 95 msec. (300 rpm Equivalency) Dry Air Atmosphere Pressure 298 K 298 K Punching Metal Amp. (Temp.) Amp. (Press) AD Converter Signal Analyzer Fig. 1 Measurement System for RCEM High Responsive ThermocoupleObjective Lens High-SpeedVideo Camera PIV AnalyzerBore x StrokeCompression RatioCompression TimeInfill GasInitial Gas PressureInitial Gas TemperatureInitial Wall TemperatureTable 1 RCEM Specifications and Experimental High Responsive Thermocouple (a) Type 1 (b) Type 2 Fig. 3 Schematic of Combustion Chamber Air AccumulatorChamber Buffer Chamber Cam Fig. 2 Schematic of RCEM Conditions Chamber Laser Window Laser Light Sheet Cylinder BlockRod DamperMeasurementArea for μPIV No.35(2018) 2.1 計測システム及び解析方法 壁面熱流束を把握するためには,高時間分解能でのマツダ技報 焼室内流動は非定常性が強く未発達な乱流状態が存在する(4)のに対し,従来のモデルでは発達乱流場を仮定して構築されていることが挙げられる。このため,本研究では,光学アクセスの自由度が高く,エンジンの複雑な流動場の特徴を再現できる急速圧縮膨張装置(以下,RCEM)を用い,境界層内流動と熱流束の同時計測を実施した。実験的なアプローチに加えて,高解像度な計算メッシュを適用した数値計算を実施し,実験と数値計算の両面でエンジン内流動場を想定した壁面熱伝達現象の解明とモデル化を試みた。 壁面温度計測が必要である。また,壁面境界層内の流体特性を把握するため,流速分布及び乱流統計量を計測する必要がある。これらの計測システムをFig. 1に示す。壁面温度計測には,同軸型高応答熱電対を使用し,信号はサンプリング周波数10kHzで記録した。壁面熱流束は,壁面温度の時系列計測結果を境界条件として,壁面内部の非定常熱伝導方程式を完全陰解法にて解き,壁面内部の温度勾配を算出することにより求めた。壁面境界層内速度分布及び乱流統計量は,時系列PIV法にて計測し,平均乱流運動エネルギーk及びその平均散逸率を式(1),(2)より算出した(5)。 uは瞬時流速,Uは平均流速であり,添字i,jは壁に並行,垂直な方向の成分を表す。また,Sijは速度勾に沿う比較的単純な流動場と非定常性が強い流動場をそれぞれ表現するために,シリンダーライナ部と燃焼室部をつなぐ連通路の配置が異なる2種類の燃焼室形状(Type 1,2)を用いた。ピストンの上昇により圧縮された空気は,連通路を通って燃焼室内に流入する。時系列PIV計測は,同軸型高応答熱電対表面の中央位置において実施した。燃焼室のレーザー窓に対して垂直方向の両面には,厚さ20mmのサファイアガラス製観察窓が取り付けられている。 2.2 供試機関 可視化のための光学アクセスを容易とするため,供試機関として1回のみの圧縮膨張が可能なRCEMを用いて実験を行った。Fig. 2にRCEMの全体図を,Table 1にRCEMの諸元及び実験条件を示す。Fig. 3にRCEM燃焼室の概略図を示す。燃焼室部は,直径が約35mm,厚さが17mmの縦型の円筒形状をしており,エンジンのボア径・ストローク長に依存しない。壁面2. 実験方法 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ (1) ■■2■■■■■■■■■■■■■■■ (2) ■■■■■■■■,■■■■■■■■,■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 配テンソルであり,■ ■はアンサンブル平均を表す。

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