マツダ技報 2019 No.36
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■著 者■ -95- 5.3 スロープ乗り越し時の頭部の挙動 先述のスロープを時速10km/hで通過した際の頭部の動 Fig. 20に頭部の前後移動量として①のポイントの前後6. おわりに 参考文献 Head 富家 進 元吉 菜緒子 5.2 コーナリング中の頭部の挙動 緩やかなコーナーに進入した際の頭部の動きを,慣性Fig. 18 Lateral Displacement of Head Fig. 19 Measurement Point MAZDA3はドライバーが上半身のバランスをとることで,Fig. 20 Longitudinal Displacement and Pitch Angle of VEHICLE ARCHITECTUREについて紹介した。従来の(1) Kirsten G¨otz‐Neumann(著),月城ほか(訳),観察人の能力を発揮させることができる車両運動の考え方とそれを実現させるための新しい車両構造SKYACTIV- 自動車の機械特性を高めることに加え,人の特性に合わせた運動性能を実現させることで,これまでにないドライビングフィールと走る歓びを市場に送り出せることを嬉しく思う。今後も人の特性を研究し,人間中心の哲学に基づいた理想の車両運動の実現に向け取り組みを続けていく。 による歩行分析,東京都,医学書院,(2005年) 塚根 芳将 吉村 匡史 マツダ技報 No.36(2019) 式モーションキャプチャーを用いて計測した。Fig. 18は横軸に横加速度,縦軸に頭部の左右方向の変位量を示す。新型MAZDA3では操舵初期から頭部が滑らかに動いており,乗員がバランス保持能力を発揮できるシート,及び車両運動になっていることが確認できた。 きを撮影し,画像処理からFig. 19に示す頭部①②③のポイントについて変位量を算出した。①は上部頸椎,②はこめかみ,③は目の位置にあたる。 変位を示す。またドライバーの視線方向として②と③のポイントを結んだ線と水平線の成す角度を示す。新型頭部の前後移動量が前モデルよりも減少し,安定していることが確認できた。また頭部のピッチの大きさとピッチの速さが抑えられており,目線を安定させやすくなっていることが確認できた。

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