マツダ技報 2019 No.36
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]ffit l ]2s/mitareeceDnommN ssenadeP [ l /[S ■著 者■ -112- 以上より,2章で設定したねらいのブレーキフィールを Fig. 15の踏力-減速度特性に示すように,前モデルが低4. 新型MAZDA3のブレーキフィール 5. おわりに New MAZDA3 New MAZDA3 M HybridPedal Force [N] Previous Model Deceleration [m/s2] (1) 通常ブレーキ時のブレーキフィール Previous Model Fig. 15 Characteristic of Pedal Force and Deceleration New MAZDA3 M HybridNew MAZDA3 Fig. 16 Characteristic of Deceleration and Pedal Stiffness Fig. 16に示すペダル剛性のカーブでは,VB仕様,回生(2) 回生協調時のブレーキフィール また,実車でのフィーリング評価結果を以下に列挙する。 ・意図した減速度を意識せずに発生できる ・減速度をスムーズに立ち上げ,緩めることができる ・停止線などに容易にぴたりと止めることができる ・駐車場や渋滞の中でも,扱いやすい ・同乗者にもやさしい(頭を揺らさない)運転ができる 実車レベルで実現していることを確認した。 詳細の評価結果は割愛するが,トランスミッションの変速や回生量の変動,及びエンジン本体によるさまざまな減速トルクの変化を,パワートレイン,回生協調ブレーキシステムそれぞれで細やかな制御を実施することで,不快に感じる頭の揺れを人間が感じ取りにくいレベルまで抑制することができた。 新世代商品群で共通して目指すブレーキフィールは,その第一弾である新型MAZDA3で実現させることができた。 しかし,今後もさらなる環境性能向上に向けた走行抵抗低減を実現しつつ,ブレーキ性能も進化を続ける必要がある。今回達成した性能は,今後に続く新世代商品にも進化させながら継承し,世界のベンチマークとなるブレーキフィールの実現を目指す。 池見 清 丹羽 正浩 加村 孝信 前章までに述べてきた目指すブレーキフィールを実車レベルで実現していることを,定量計測を行い確認した。その結果をFig. 15,16に示す。 減速度域で急峻に上昇しているのに比べ,新型MAZDA3では低踏力領域から緩やかにカーブを描いて減速度が上昇する特性になっている。また,回生協調ブレーキシステムを採用するM HybridモデルとVBを採用するモデルでの特性差も最小限となっている。 協調ブレーキ仕様のどちらも極小点がより低い減速度に位置しており,ブレーキの踏み応え変化点とブレーキが効き始めるポイントがほぼ一致していることを確認した。更に,ペダル剛性のカーブは,その後直線状にねらいどおりの傾きをもって上昇している。これにより,ペダルの踏み応えの増減が,減速度の増減に対して感覚として1:1となっていることを確認した。 マツダ技報 No.36(2019) 開原 真一

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