(2)高強度キャビン -114- Fig. 2 Energy Absorption Structure of Frontal Crash Fig. 3 Performance of High-Energy Absorbing Frame Fig. 4に示すように高強度キャビンは,フロントフレー980MPa以上の超高張力鋼板の使用比率は,先代モデルFig. 4 Cabin Structure for Frontal Crash ARCHITECTURE を採用した。 たSKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTUREと高い乗員2.1 前面衝突時の車体骨格構造 新型MAZDA3では,前面衝突への対応として,車体Fig. 1 Multi-Load-Path Structure for Frontal Crash (1)高効率エネルギー吸収構造 Fig. 2に示す左右端を延長したバンパービームとペリ新型MAZDA3では,車体モデルは元より,ダミー(人体を模擬した計測用人形)モデル,内装・乗員保護装置(エアバッグやシートベルトなど)モデルを組み合わせ,車体変形挙動から乗員傷害値まで予測可能なCAE技術によって,世界トップレベルの衝突安全性能の実現を目指した。そのために,強固な超高張力鋼板を採用しつつエネルギー吸収効率を高めたボディー構造や,傷害を減らすために人間の特性に基づいて開発した乗員保護及び歩行者保護構造などを取り入れ,衝突安全性能を大きく進化させた新世代車両構造技術SKYACTIV-VEHICLE 本稿では,衝突安全性能と軽量化を高次元で両立させ保護性能及び歩行者保護性能を備えた安全装備を,代表的な衝突形態である前面衝突,側面衝突,後面衝突,歩行者保護衝突について紹介する。 は,Fig. 1に示すエリアで,(1)高効率エネルギー吸収構造と(2)高強度キャビンを実現した。さまざまな衝突形態に対応するため,先代モデルでも採用していたマルチロードパス構造を更に進化させた。 メータービームで,相手車の骨格部品とのすれ違う事故での衝撃の軽減を目指した。そのために,ペリメーターメンバーの左右端には,オフセットした相手車のような衝突物とのラップ量の少ない衝突時に,ロードパスを効率的に導くエクステンション構造を採用した。また,衝撃をしっかりと受け止めてからゆるやかに減速させるフロントフレームのエネルギー吸収レインフォースメント構造(1)により,高いエネルギー吸収効率を実現した(Fig. 3)。 ムとヒンジピラー,ヒンジピラーとサイドシル,エプロンリアとヒンジピラーのロードパスを新たに設定して強化し,ボルト結合やSW点数の最適化によって,接合も強化した。また,超高張力鋼板の採用比率を高め,の約9%から約30%へとアップさせた。中でも,Aピラーやヒンジピラーには,1,310MPa級の超高張力鋼板は車体構造用冷間プレス部品として世界で初めて採用し,サイドシルなどの1,180MPa級と合わせて,軽量かつ高強度なボディーを造り上げた。これらを実現するために,新たに開発した超高強度鋼板の特性やSW,ボルト部の破断リスクを高精度で評価できるCAE技術を確立した。 2. 前面衝突性能開発 マツダ技報 No.36(2019)
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